城跡に県庁が!?福井城址周辺の歴史スポット11選【福井市】

城跡に県庁が!?福井城址周辺の歴史スポット11選【福井市】
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福井駅から少し歩くと、立派な石垣の上に現代風のビルが建っている不思議な光景が目に入って来ます。
実はこの建物の正体は、福井県庁!
かつてこの場所には、天守は4重5階、本丸は5重の堀に囲まれ、2km四方に及んだ巨大なお城『福井城』がありました。
今回は、福井城の名残も感じられる、福井県庁周辺の歴史スポットを詳しく紹介します。

珍しすぎる!福井城址にそびえる福井県庁

福井城跡県庁歴史御本城橋の画像

福井城址にそびえる福井県庁。
立派な石垣の上に近代的な建物が建っているのは、ちょっと不思議な感じがしますよね。

お城の跡地に県庁などの官公庁舎が建っていること自体はそこまで珍しくありません。
しかし、それらのほとんどは二ノ丸、三ノ丸に建っているため、本丸跡に建っている福井県庁は全国的に見てかなり珍しいと言えます。

福井城跡県庁歴史

中央公園で見つけたかつての福井城周辺の模型

赤茶色の部分がかつての本丸。
手前真ん中が玄関、その右が御台所、その奥に長局、大奥御座の間、御小座敷などがあったことがわかります。
そして、透明の箱が現在の福井県庁です。

福井県庁にたどり着くためにはお堀をこえないといけないので、御廊下橋などを通る必要があります。
実際、出勤時間に福井県庁に行くと、県庁の職員さんたちが橋を通って出勤するというちょっと不思議な光景が見られます。

福井城址周辺は歴史のみちとして整備されているので、歩いているだけで様々な発見があるはず!
ここからは、福井城址周辺の歴史を感じられるスポットをご紹介するので、かつての福井城周辺の地図と照らし合わせながら読み進めてみてください。
福井城跡県庁歴史の画像

御本城橋(ごほんじょうばし)

福井城跡県庁歴史御本城橋の画像

まずは、福井県庁正面にある御本城橋から見ていきましょう。

春には周辺に桜が咲くので、お散歩にもぴったりのこの場所。
実はお堀の周辺にはある都市伝説(?)があります。
それが、金色の鯉を見つけると、その日1日はいいことがある!というもの。

運がよければ結構な頻度で見かけることができるらしく、しかも「その日1日」という、だいぶちっちゃな幸せ感ですが、見つけられるとかなり嬉しいです!

福井城跡県庁歴史の画像

これが本物の金色の鯉!
お堀の中に1匹しかいないそうです。

お散歩のついでに、金色の鯉探しもしてみては?

瓦御門跡

福井城跡県庁歴史結城秀康の画像

御本城橋を渡りきったところが、かつて本丸の大手門があった場所で、少し進むと右手には結城秀康公(福井城をつくった福井藩祖)の像があります。

この奥に福井県庁があるのですが、県庁側から大手門跡の両脇を見てみると、このように階段状になっています。

福井城跡県庁歴史雁木の画像

これは雁木といい、城の防備のために重要な形状なんだとか。

ここにある階段を登ると、福井城址前のお堀を見渡す場所に出られます。

福井城跡県庁歴史御瓦門跡の画像

福井城跡県庁歴史御瓦門跡の画像

つきあたりまで行くと、『瓦御門跡』の表示が。

福井城跡県庁歴史御瓦門跡の画像

ここは御本城橋から見て大手門の右斜め上(2階部分)にあった瓦御門の跡地です。
階段から瓦御門までの間は、多聞櫓と呼ばれる細長い建物があった場所だそうです。

これは、防御のために城郭に広く用いられているもの。
ここで見張りをしていたのでしょうか。

天守閣(天守台)跡

福井城跡県庁歴史天守台の画像

県庁西側には、天守閣(天守台)跡があります。

かつての福井城天守は白漆喰総塗籠の外壁仕上げで、天守台を含めると37mもの高さがあったそうです。
天守は1669年(寛文9年)に焼失してしまったため、現在はこの天守台のみが遺構として残っています。

福井城跡県庁歴史天守台の画像

崩れているのは、福井震災の影響。
奥に見えているのが福井県庁の建物です。

福の井

福井城跡県庁歴史福の井の画像

天守台の近くには、福の井という井戸があります。
福井城が築かれるよりも前からこの場所にあったそうで、福井の地名の由来になったとも言われています。

なんとこの井戸には、城外へつながる抜け道があるとの言い伝えもあり、過去に調査がされたこともあるんだとか。

現在は整備されて周りがとっても綺麗になっていますが、中をのぞいてみると、当時の井戸がそのまま残っています。

福井城跡県庁歴史福の井の画像

御廊下橋

福井城址の画像

福井城址西側にかかる御廊下橋(おろうかばし)。
かつて藩主たちは、その手前にある御座所(藩主の住居、現在の中央公園)から御廊下橋を渡り、山里口御門をくぐって本丸に向かったと考えられています。

御廊下橋は、明治初期に撮影された古い写真をもとに、2008年に復元整備されました。
橋脚にはクリ材、上屋にはヒノキが使われ、上屋の内外の壁は漆喰塗りになっています。

福井県福井城御廊下橋の画像

復元された御廊下橋

その奥にある山里口御門(廊下橋御門、天守臺下門とも呼ばれる)も、2017年秋に復元整備工事が終わりました。

石垣に残った柱や屋根の傾斜の跡を参考に復元された山里口御門。
瓦には福井でしか採石されない笏谷石が使われています。

福井県福井城山里口御門御廊下橋の画像

復元された山里口御門

山里口御門の工事の様子

福井城跡県庁歴史御廊下橋の画像

復元工事中は天守台側石垣上から工事現場を見学することができ、原寸大模型の展示も見ることができました。

福井城跡県庁歴史山里口御門の画像

福井城跡県庁歴史山里口御門の画像

中央公園

福井城跡県庁歴史中央公園

休憩所に置いてある福井城址周辺の模型

御廊下橋の向かいにある中央公園。
この場所は、福井城の西二の丸と西三の丸、堀があった場所です。

発掘調査によって、現在でも地下に石垣が眠っていることがわかり、それらの石垣から、当時の西二の丸、西三の丸を示す御座所表示石が設置されています。

歴史福井市中央公園福井城の画像

芝生が生えていない場所が御座所表示石

現在はガラス張りの休憩所(ビジターセンター 御座所)が整備され、一休みするのにもちょうどいい場所になっています。

歴史福井市中央公園福井城の画像休憩所の中には、福井城下絵図や越前・福井の歴史等がわかる資料、映像があるので、福井の歴史を知りたい方にもおすすめの場所です。

内堀公園

福井城跡県庁歴史内堀公園の画像

御廊下橋から御本城橋方向に戻ってさらに東側に進むと、左手に内堀公園があります。

こちらには、本丸復元図や福井城下の歴史がわかる説明書き、旅立ちの像という彫像があります。

福井城跡県庁歴史内堀公園の画像

旅立ちの像は、左が三岡八郎(由利公正)、右が横井小楠となっています。

これは、安政5(1858)年、熊本藩士でありながら福井藩の政治顧問として招かれ、一時帰国する際の横井小楠と、それに同行する三岡八郎の姿を表現したものです。

百間堀の石垣

福井城跡県庁歴史百間堀の画像

内堀公園の道を挟んで向かい側あたりには、百間堀の石垣があります。

百間堀とは、かつて福井城本丸の周囲に幾重にもめぐらされていた堀の中で、最も幅が広い堀のことです。
(実際の幅は百間ではなく、現在の約100mである55間だったそうですが、それでも相当な大きさですよね。)

これは、ビルの解体工事に伴って地下部分の掘削を実施した際に見つかったものだそうです。
調べてみると、ビル跡地の東側には百間堀に沿って南北に伸びる土塁があり、見つかったものはその一部であることがわかりました。

実はこの百間堀、福井駅前でも再現したものを見ることができます。

福井城跡県庁歴史百間堀の画像

福井駅を背に大通りの左側を歩くと、県庁入口交差点の手前に、地面がガラス張りになっている部分があります。
覗き込むと石があるのがわかりますが、これが百間堀を再現したもの。
この場所や福井駅周辺で出土した石材を用いています。

当時の石垣の上面は、このように現在の地面よりも1mほど下がった部分にあったそうです。

また、県庁入口交差点を挟んだ道路の地面4カ所に、当時の百間堀の幅がわかるタイルが敷かれているので、百間堀がどれだけ大きかったのか体感することもできます。

なんと、福井駅前にも百間掘の石垣に使われていた石を用いたモニュメントがあります。

福井城跡県庁歴史百間堀の画像

この場所(福井駅西口広場)は百間掘東側の三の丸に位置していた部分です。

これらの場所を実際に歩くと、福井城がどれだけ大きなものだったのかよくわかりますよ!

桜木御門跡

福井城跡県庁歴史の画像

さらに、福井城址(福井県庁)からはずいぶん離れた福井駅西口側のAOSSA入り口前にも、福井城の面影が…。

これは、福井城の南東にあった桜木御門の跡で、南東の外側の外曲輪(そとぐるわ)と内側の曲輪を隔てる門だった場所です。
外曲輪は中下級武士の居住地で、桜木御門の内側(曲輪、福井駅側)には上級武家屋敷が配置されていました。

曲輪の内側に百間堀、その内側に陸地があり、その内側に現在の福井県庁外側のお堀があるというふうに、福井城は幾重もの門や堀に囲まれていました。

敵が本丸に攻め込むには、4〜5箇所の城門を突破する必要があったそうです。

福井城舎人門遺構

福井城跡舎人門歴史の画像

福井城址北側には、かつて福井城の北側の外堀に設けられていた福井城舎人門遺構もあります。
こちらも福井城の歴史を知る上で欠かせないスポットなので、ぜひ足を伸ばしてみてください。

福井城舎人門遺構の詳細はこちら>>無料!?郷土歴史博物館に行くなら福井城舎人門遺構も見逃すな!

福井城舎人門遺構の基本情報・アクセス・マップ

名称 福井城舎人門遺構
住所 福井県福井市宝永3丁目12-1
電話番号 0776-21-0489(福井市立郷土歴史博物館)
交通アクセス JR福井駅から徒歩15分
えちぜん鉄道 新福井駅から徒歩約10分
福井鉄道 仁愛女子高校駅から徒歩7分
福井鉄道 福井城址大名町駅から徒歩約10分
北陸自動車道 福井北ICから車で15分
駐車場 あり
SNS instagram https://www.instagram.com/explore/locations/4001665/
Twitter ー
Facebook @fukuihistory
WEBサイト http://www.history.museum.city.fukui.fukui.jp/

北ノ庄城址・柴田公園

北ノ庄城址・柴田公園の画像発掘によって初めて発見された北ノ庄城(柴田勝家が築造)の遺構の上にある公園です。

こちらには北ノ庄城の遺構がいくつか残っているのはもちろん、福井城の遺構も見ることができます。

詳しくはこちら>> 日本の歴史公園百選!北の庄城址・柴田公園の見どころスポット8選

北の庄城址・柴田公園(北の庄城址資料館)の基本情報・アクセス・マップ

名称 北の庄城址資料館
住所 福井県福井市中央1-21
開館時間 9:00〜18:00
アクセス JR福井駅から徒歩5分
北陸自動車道 福井ICから車で15分
駐車場 無し(付近にコインパーキング多数あり)
SNS instagram https://www.instagram.com/explore/locations/271609554/(柴田神社)
Twitter ー
Facebook @sibatajinja(柴田神社)
WEBサイト http://www.city.fukui.lg.jp/kankou/kankou/sisetu/kitanosyou.html

福井城址周辺を歩いてみて!

福井城址周辺を歩いてみると、福井城址から随分離れた場所でお堀や石垣跡を見ることもでき、かつての福井城や城下町の大きさをうかがい知ることができると思います。

ここまで紹介した場所を歩いていると、ところどころに関連情報や福井城に関する説明書きの看板も発見できると思います。
また、養浩館庭園周辺から福井城址をぐるっとまわり、柴田神社まで続く『歴史のみち』を歩けば、今回紹介した以外にも、歴史溢れるスポットが見つかるかも!

じっくり読みながら散策してみてはいかがでしょうか?

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