「沸騰をビビらない鯖江」を愛していたい強欲で偏屈な若者たち【若新雄純 × 江戸しおり 特別対談】

「沸騰をビビらない鯖江」を愛していたい強欲で偏屈な若者たち【若新雄純 × 江戸しおり 特別対談】

Abema TVやサンデージャポンなど、人気番組でも引っ張りだこの若新雄純さん。
福井県出身で、鯖江市でプロデュースした「鯖江市役所JK課」などで一躍注目を集めた方ですが、若新さんがいなければこのDear ふくいが生まれることもなかったんです。

そこで今回は、Dear ふくいの生みの親、正確にはおじいちゃん?とも言える若新さんとDear ふくい代表 江戸しおりが、鯖江市について、世の中についてぐちゃぐちゃあれこれ話します。

若新雄純氏
株式会社NewYouth代表取締役/慶應義塾大学政策・メディア研究科特任講師
福井県若狭町出身。
福井大学産学官連携本部客員准教授慶應義塾大学大学院修了、修士(政策・メディア)。
専門はコミュニケーション論。
大学在学中に就職困難者の就労支援を行う株式会社LITALICOを共同創業し、COO就任。
その後、東証マザーズに上場。
現在は、人・組織・社会における創造的なコミュニケーションを模索する研究者・プロデューサーとして、実験的な政策やプロジェクトを多数企画・実施。
全員がニートで取締役の「NEET株式会社」や、総務大臣賞を受賞した福井県鯖江市の「鯖江市役所JK課」、同じく鯖江市の若者が家賃無料で半年間体験移住できる「ゆるい移住」などをプロデュース。
著書に『創造的脱力~かたい社会に変化をつくる、ゆるいコミュニケーション論』(光文社新書)がある。
http://wakashin.com/

江戸「私が若新さんに出会ったきっかけは、若新さんがプロデュースした鯖江市の体験移住事業『ゆるい移住』でしたよね。
若新さんがゆるい移住を始めてくれなかったら私が福井に行くことはなかったし、このDear ふくいも生まれなかったと思うんです。
だから若新さんにはすごく感謝しているし、リスペクトの気持ちを込めて、Dear ふくいに『若新雄純』っていうタグを作ったんですよ!
今日はよろしくお願いします。」

若新「よろしくお願いします〜。」

「JK課」はコラボレーションの実験の場

JK課の画像

福井には、若新雄純=JK課と思っている人もたくさんいると思います。
福井県鯖江市で始まった、女子高生がまちづくりを行っているJK課。
その活動について、若新さんはどのような想いを抱いているのでしょうか…。

世間に誤解されているJK課。本当の目的とは…

若新「鯖江市役所JK課は様々なメディアに取り上げられているけど、全体的に誤解が多いなと感じてます。」

江戸「誤解、とは?
最初は賛否両論あったけど、結果的にまちづくりや行政に興味のない、一番遠い存在と思われていたJKが行政に関わって、まちを有名にした成功事例として認識されているように感じますが…」

若新「それが少し違っていて、JK課の出発点は、市役所や公共サービスのあり方を考え直すってところだったんだよね。
結果としてJK課がまちをPRしているところはあるけど、実はJK課を通して、本当の市民協働とはなんなのかを考えたかったんです。」

江戸「表に出ているJK課の成果やこれまでの活動は、あくまで手段であったと。」

若新「手段というより、プロセスかな。」

江戸「JK課はもう3年目になりますが、若新さんの考える本当のJK課の成果とは?」

若新「今僕は次の展開の準備に動いていて、鯖江のJK課で直接関わっていることは時間的には少なくなってきているんです。
それは、鯖江市役所のJK課担当の高橋さんに全てを任せられるからなんだよね。」

江戸「若新さんはJK課が始まるときに、『教えない』『ゴールや計画を作らない』『JKたちを信じる』といった、あくまでJK主体になるように、大人は手を出さないで!ということを何度も説明したとおっしゃってましたよね?
高橋さんはこれを完璧に実現しているってことですか?」

若新「その通り。
JK課を通して市民協働を考えるって言ったけど、簡単にいうとそれは市役所と市民とのコラボレーションだと思っていて。
市民協働はボランティアではないし、かといってアウトソーシング(民間への委託)でもない。
行政と市民がどれだけ新しいコラボレーションをできるのかが大事。

JK課にしたのは、僕は『ゆるい市民』とよく表現するけど、彼女たちが存在感はあるのに行政からは最も遠い存在であると思ったから。
今JK課というプロジェクトが自走されていることは、高橋さんたち市役所の職員がJK(市民)としっかりコラボレーションできている証明なので、これこそがJK課の成果だと思ってます。」

江戸「つまりJK課でしたかったことは、『コラボレーションの実験』ってことですね。」

JK課が生み出した本当の成果は「変化」だった

江戸「市民協働=コラボレーションというのはわかったけど、ではそのコラボレーションの後に生み出される最終目的はなんなんでしょうか?」

若新「市民協働の役割、目的の一つには『変化』があると思っていて。」

江戸「変化…。JK課を通して、行政もJKも鯖江のまちも変化しましたもんね。」

若新「初期の頃、『若新は鯖江市役所を騙している』、『うまく丸め込んで好き勝手やろうとしている』と言った人もいたけど、それはおかしい。
行政職員の方ってみんなすごく優秀で、僕なんかに騙されないし曲がったりもしない。

JK課が発足する3ヶ月くらい前に、当時市民協働課の参事だった橋本さんという方にJK課の意図をお話しました。
橋本さんは長年市民協働に携わってきた人だったから、中途半端なアイデアでは到底受け入れてもらえなかったし、長い時間議論を重ねてすり合わせをして、深い合意のもとでJK課が始まることになりました。」

江戸「JK課は、発足が決まった時点ですでに市役所に大きな変化をもたらしていたんですね。」

若新「その時点では、変化する準備をしてもらえた、って感じかな。
でも、どんなにいいアイデアでやりたいと思ってくれる職員の方が多くても、前例のないことは実現することができない行政もたくさんあると思うから、やっぱり鯖江市はすごいと思う。」

江戸「そうですよね。
常に挑戦して、若新さんのような変化を促すきっかけとなる人を怖がりながらもちゃんと受け入れてくれる。
そんな行政あるんだ!っていつも思います。」

JK課は形を変えて世の中に広がっていく…

江戸「鯖江市役所JK課は成果がきちんと出ていると思いますが、今後の課題はありますか?」

若新「ゆるい市民と市の職員や大人たちがコラボできた。
そこには、市役所職員である高橋さんたちがそのファシリテーションをできるようになったということがあると思っていて、そういった本質的な部分の成果を他の場所に展開したいです。
鯖江市の牧野市長もそれを望んでいるので。」

江戸「牧野市長がいつもおっしゃっている『横展開』ですね。
JK課はすでに豊橋市や湖南市に広がっていますよね。
でも、JK課の成果を横展開したいということは、その形はJK課でなくてもいいということですか?」

若新「そうだね。
まちに参加するのは大学生でも子供でもお年寄りでもいいと思ってます。」

江戸「横展開するための何か具体的な策やプロジェクト案はあるんでしょうか?」

若新「すでに大手広告代理店などと話を進めていて、来年、JK課でやった手法のモデル都市を作る準備をしています。」

江戸「モデル都市!壮大な感じがしますね。」

若新「やっぱり行政などの社会システムとかって、一度出来上がってしまうと簡単には壊れないようにつくられているから、変化できる状態へ促さないといけないと思っていて。
だから鯖江市のように、変化が起きてもいい状況を作り出せるまちを、モデル都市として増やしていきたいと思っています。」

江戸「続報が楽しみです。
ただ…今まで当たり前のように若新さんの『変化』という言葉を聞いていたんですが、ぶっちゃけ変化って必要なんでしょうか?(笑)
私はこう見えて変化ってすっごく嫌いなんです。
だいたい同じ場所で腰を落ち着けて静かにしていたい人間なんです、本当は。」

若新「ゆるい移住に来てた人とは思えない発言だけどね(笑)
それなら、しおりんはなぜゆるい移住に来たの?
質問を変えると、どんな移住なら来なかった?」

江戸「農業やれ、起業しろ、地域活動しろって言われるやつですかね。
私には私の仕事があるし、ちょっと知らない町に住んでみたいだけなのにそんなこと言われても困る。」

若新「つまりしおりんは、目的やゴールが決まっていないからゆるい移住に来てくれたんだよね?」

江戸「そうですね。ゴールを設定されたら絶対行かなかったです。」

若新「ゴールを決めないことで生まれるのが、変化の余地だと思う。
僕は、変化があるとより色々なものを受け入れられるようになると思っているんだけど。」

江戸「ん〜、確かに。
私は変化が嫌いだから、急な約束とか突然の雨とか、そういうイレギュラーなことは受け入れられないです。」

若新「(笑)
鯖江市にとっては、しおりんみたいな人たちがそのイレギュラーな人間なわけなんだよ。
でも、変化の基盤ができていたから、ゆるい移住でしおりんみたいな人を受け入れることできた。」

江戸「そっか!(笑)
私は、ゆるい移住って本当にすごいプロジェクトだったって思っています。
ゆるい移住が実現したのは、鯖江の『変化』の賜物ってことですよね。
やっぱり変化、めっちゃ大事ですね。」

JK課の概要は以下の記事でも紹介しています↓

【鯖江市】JK課って一体何をしているの?JKがまちを変化させるきっかけに!?

<Next>強欲で偏屈な人間たちが集まったゆるい移住から見えてきたものとは…

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