浄土真宗のカリスマ・蓮如さんの魅力再発見!『蓮如上人記念館』を徹底解説【あわら市】

浄土真宗のカリスマ・蓮如さんの魅力再発見!『蓮如上人記念館』を徹底解説【あわら市】

福井県あわら市にある『吉崎御坊 蓮如上人記念館』。
浄土真宗を広めた僧・蓮如上人をテーマにした福井県認定の博物館です。
鹿島の森、北潟湖、日本海の絶景が一望できるロケーションに位置する博物館で、蓮如さんの精神を感じながら、心癒されるひと時を過ごしませんか。

『吉崎御坊蓮如上人記念館』とは?

吉崎御坊蓮如上人記念館は、国指定の史跡である吉崎御坊跡の麓に1998年に設立された記念館です。

吉崎御坊とは、蓮如上人が建立した坊舎(僧の住む建物)です。
1465年(寛正6年)に、比叡山延暦寺衆徒に本願寺が壊された(破却された)ため、蓮如上人は近江の金森、堅田、大津を転々とし、1471年(文明3年)に越前国吉崎にある北潟湖畔の吉崎山の頂きに吉崎御坊を建立しました。
吉崎御坊跡は1975年に国の史跡に指定され、現在は公園として整備されています

蓮如上人は、浄土真宗を日本一のコミュニティに急成長させたカリスマ的な存在。
吉崎御坊を出発点に、衰退していた本願寺を再興し、強大な本願寺の礎をつくりました。
「本願寺中興の祖」と呼ばれ、北陸では親しみを込めて「蓮如さん」と呼ばれています。

蓮如上人記念館における、蓮如上人直筆の名号(みょうごう・南無阿弥陀仏などのこと)の所蔵数は日本一で、蓮如上人と本願寺の歴史や文化などを常設展で公開しているほか、多彩な特別展も開催されています。

また、敷地の総面積は7,500㎡で、蓮如館、庭園ミュージアム 五重の義、鳳凰閣が並びます

庭園ミュージアム 五重の義での散策では、蓮如上人の精神文化を体感しながら心癒されるひと時を過ごすことができ、日本建築の粋を凝縮した壮麗な総檜・寝殿造りの鳳凰閣では、北陸初出店となる京都で大好評のイクスカフェで和スイーツを楽しむことができます。

蓮如館

蓮如館では「大阪」の地名が文献上初めて登場する蓮如上人の和歌草稿や、蓮如上人直筆の南無阿弥陀仏の掛軸、吉崎御坊焼失の際に南無阿弥陀仏の部分だけが焼け残った不可思議な『焼け残りの名号』等の貴重な文化財のほか、吉崎御坊を300分の1で復元したジオラマなどの展示もしています。

本願寺写経体験やお香袋作り体験もでき、ここでしか買えないお土産やオリジナルアイテムの販売を行うミュージアムショップも併設されています。
蓮如さんかるたやオリジナルのお香が気になりました!

神秘的な鹿島の森を眺めつつ庭園散策

記念館には北陸随一のロケーションが広がる、ミュージアム庭園があります。
数百年の間、1度も木が切られたことのない天然記念物の鹿島の森や、目の前に広がる北潟湖、日本海を臨みながら庭園を散策することで、蓮如さんの精神を体感することができます

また、今回紹介する順番で歩くと、極楽浄土に行くための『五重の義』(5つの事柄)を全て経ることができます

まず始めに通るのが『煩悩の林』。

ここに立つと、生きとし生けるものには、妬みや怒り、欲望などの煩悩が立ちはだかっていて、その煩悩の林を彷徨っている姿が想像できました。

煩悩の林を抜けると、ご先祖や阿弥陀佛をさまざまな石で表現した『宿善の野』があります。
宿善とは、過去の善行や功徳が現在や将来に良い影響をもたらすという考え方で、煩悩から救われるために最初に必要になることがらです。
この記念館を訪れたこと自体が、既に前世からの宿善であり、佛縁があってこの吉崎を訪れたことで善行を積極的に行っていると考えることができます。

そして『善知識の岩』へと向かいます。
善知識とは、仏教の教えや修行に関する深い理解を持ち、他者にそれを伝えることができる師を指します。
善知識の岩に上がると善知識の肩の上に上がったことになり、見えていなかった世の中が見えてくる感覚を得ることができます。
善知識の大きな岩は、岩のように硬く大きな信心で私たちを導いて下さるそうです。

私も実際に善知識の岩の上に登ってみました!
見えていなかった世の中について考えながら、池を見ていましたが、心が落ち着く感覚を得られました。

善知識の上に上がったお陰で、阿弥陀如来の光明を目の当たりにすることができるそう。
その光明を池に喩えたのが『光明の池』です。
水面に映った陽光は、まさに、阿弥陀如来の光明そのものであり、煩悩に閉ざされた私たちの心の暗闇に光を当ててくれる光明によって、信心が皆さんの心に生まれるそうです。

光明に照らされると、『信心の橋』を渡ることができます
信心とは、阿弥陀如来の大慈悲のココロをいただくこと
このココロをいただくことによって、阿弥陀如来に救いとっていただき、浄土に往生することができるそうです。

信心の橋を渡り、信心の世界へ行くことができたら、ゆっくりと北潟湖岸の美しい景色を眺め、信心の喜びの中を歩みます。

そして、続いて現れるのが『名号の瀧』です。
この瀧は六段になっていて、「南無阿弥陀佛」という名号をあらわしているそうです。
この瀧の絶え間ない響きを阿弥陀如来の声として感じてみてください。

また、有料ではありますが、佛様に感謝をしつつ、家族、恋人、友人との幸福を願って、『仕合せの蓮如札』を流すこともできます。
祈願をするのではなく、人との絆が深まるように、絆がいつまでも続くようにといった願いを書くものです。
仕合せの蓮如札は蓮如上人記念館にてお申し込み下さい。

心静かに鹿島の森を眺めながら…おすすめ体験紹介!

記念館では写経体験とお香袋作り体験の2つの体験ができます。

本願寺写経体験では4種類のお手本からお好きなものを選び、上から書き写します。

筆ペンなどの必要な道具は貸し出されるので、準備するものは特にありません。
見本も含め、お持ち帰り可能
写経したものは、京都市山科区にある東山浄苑東本願寺への奉納もできます

お香袋作り体験では、約30分程でオリジナルのお香袋を作ることができます。

天然香のみを使用した、京都の伝統に則った調香によるオリジナルのお香袋作りで、心とカラダを整えてみてはいかがでしょうか。(体験は有料。事前予約推奨)

田井野さんへのインタビュー

最後に、一般財団法人本願寺文化興隆財団の田井野章浩さんに蓮如記念館について伺いました!

吉崎御坊の麓に、蓮如上人の遺徳を謙称する博物館として、日本で唯一の蓮如上人ワンテーマの博物館になるので、蓮如上人の遺徳を偲びながら往時の吉崎御坊を皆さんにイメージしていただけたらと思っています」と田井野さん。

見どころは、蓮如上人が書いた名号の所有数が日本一であること。
また、『大阪』の地名が文献上初めて登場する蓮如上人の和歌草稿も所有しています。
日本に2つしか実在しない、親鸞聖人が書いた聖徳太子を称える和讃の1つも、この記念館にあります」

また、
「福井県の、幸福度日本一や、教育水準の高さなどの素晴らしい文化や精神を育んだのも蓮如上人なんです。
そして実は蓮如さんは、日本の経済にも非常に大きな功績を残しています。
日本のビジネスの基礎となっている『作り手よし・世間よし・買い手よし』という近江商人の『三方よし』の理念を育んだのも、大阪商人の理念である『質素倹約』や『誠実』などを育んだのも蓮如さんです。
そういう日本人の心の原風景をつくった蓮如さんの魅力を、この記念館で知って、じっくりと味わってほしいです」とも話してくれました。

「この記念館では、宗教や経済などの多面的な側面から蓮如さんを捉えており、吉崎御坊に滞在していた4年の短期間で、浄土真宗のコミュニティーを大きくした手腕は、宗教観だけではなく経営コンサルタント的な能力に長けていたことが大きなポイントであるとも考えています。
今後、蓮如さんと文化や精神、経済とのつながりなどを多面的に知っていただけるような企画展を展開していきたいと考えています。
ぜひビジネスマンや経営者の方にも見ていただきたいです」とのことでしたので、今後の企画展にもご注目ください。

蓮如上人記念館周辺の立ち寄りスポット案内

蓮如上人記念館の周辺には、吉崎御坊跡だけでなく、他にも魅力的なスポットがあるのでご紹介します。

eXcafe(イクスカフェ)吉崎鳳凰閣

蓮如上人記念館横にある鳳凰閣が店舗になっている和スイーツカフェです。
店内の窓からは、北潟湖と鹿島の森を見ることができ、美しい景色と美味しい和スイーツを楽しむことができます。
お団子を小さな七輪の上で、自分好みに焼いて食べる『ほくほくお団子セット』が人気です。

お寺みたいな絶景和カフェでお団子を焼く!新感覚カフェ『イクスカフェ』【福井県あわら市】

道の駅 蓮如の里あわら

お食事処や農産物の直売所、お弁当やお惣菜、お土産などが販売されています
吉崎御坊にまつわる伝説にちなんだ、オムライスやどらやきもおすすめ。
予約したレンタサイクルを利用し、周辺の観光なども可能です

蓮如上人記念館で心癒されるひと時を!

今回『吉崎御坊蓮如上人記念館』を取材させていただき、蓮如さんの存在は当時の庶民にとって心の拠り所だったのだろうなと感じることができました。

多彩な特別展も行っていて、訪れるたびに新鮮さがある記念館だなと思いました。
心と体を癒す旅として、一度訪れてみてはいかがでしょうか。

令和6年4月29日まで、特別展『福井・石川の家庭に残る蓮如さんのお宝集合』が開催されています
県民に親しまれた蓮如さんの貴重なお宝をご覧下さい。

吉崎御坊蓮如上人記念館の基本情報・アクセス・マップ

名称 福井県認定博物館 吉崎御坊蓮如上人記念館
住所 福井県あわら市吉崎1-901
電話番号 0776-75-2200
営業時間 9:00~17:00
定休日 毎月第1、3火曜日
年末年始
入館料 大人 500円
小中学生 400円
交通アクセス 北陸自動車道 加賀ICから車で約10分
金津ICから車で約20分
JR芦原温泉駅から車で約15分
えちぜん鉄道あわら湯のまち駅から車で約15分
駐車場 大型バス6台、乗用車34台駐車可能
SNS Instagram ー
X ー
Facebook ー
WEBサイト https://www.honganjifoundation.org/rennyo/

記事の内容は取材時点でのものです。
メニューや営業時間等、変更がある場合がありますのでご了承ください。
Dearふくいでは、取材依頼、広告掲載依頼を随時承っております。
ご相談も含め、お問い合わせページよりお気軽にご連絡ください!

浄土真宗のカリスマ・蓮如さんの魅力再発見!『蓮如上人記念館』を徹底解説【あわら市】
この記事が気に入ったらいいね!しよう