鯖江市役所JK課って一体何をしているの?JKがまちを変化させるきっかけに!?
新聞やテレビでも大きく報じられ、話題になることも多い鯖江市役所JK課。一体どんな団体なのか?活動内容は?鯖江市役所JK課の実態に迫ります!
鯖江市役所JK課とは
出典:鯖江市公式サイト
鯖江市役所JK課とは、女子高生(JK)による実験的な市民協働推進プロジェクトです。
「鯖江市役所JK課」という名前ではありますが、これは正規の行政組織ではなく、あくまで仮想的なプロジェクト名。
JKたちは自由にアイデアを出し合い、担当の鯖江市役所職員は、あくまで裏方としてJKたちのサポートに当たっています。
発端は、慶應義塾大学特任講師で、ニート株式会社の設立など、新しい働き方、組織づくりを提案する実験的プロジェクトを多数企画、実施している若新雄純氏が、おとな版鯖江市地域活性化プランコンテストで出会った鯖江市の若手職員と意気投合して発案したこと。
しかし、コンテストでは賛否両論あり、受賞等はありませんでした。
ところが、鯖江市は普段から若手職員や地域外の若者からの意見や提案などを取り入れており、賛否両論ある実験的なこの提案も市長や担当部署の方の中で議論され、採用に至ったようです。
鯖江市役所JK課の活動内容
気になる活動内容ですが、鯖江市役所職員や周りの大人たちが「これをやりなさい!」と言うことはありません。
活動は何曜日、週に何日と決まっている訳ではなく、放課後や土日に集まれるメンバーだけがゆるーく集まります。
議題が決まっている訳でもないので、お菓子を食べて雑談をするだけで終了ということもあるとか。
とはいえ、そんなリラックスした雰囲気の中だからこそ、JKたちのリアルな意見、斬新なアイデアが出てくることも多いのだそう。
雑談の中で出てきたJK(≒市民)のリアルな悩みを行政が貴重な意見として吸い上げ、市政に反映させたこともありました。
もちろん、JKたちが積極的に企画運営をすることもあり、これまでに数々の取り組みやイベントが行われてきました。
一期生のメンバーに活動について尋ねてみると、特に印象的だったことは「図書館アプリSabotaの開発」と答えてくれました。
図書館の空席状況、本探し、本が返却できる施設が検索できるとっても便利なこのアプリ。
図書館利用率が高く、スマホが生活に欠かせないものであるJKだからこそできた発想ですよね。
「自分たちが普段ぼんやりと感じている『あったらいいな』『できたらいいな』という意見を、大人たちが真剣に聞いて実現に手を貸してくれたことが嬉しかった」とも話していました。
このように鯖江市役所JK課はこれまで、女子高生目線でのアプリ開発やスイーツ開発など、多数の取り組みを行い、多くの企業、団体とも連携してさまざまなプロジェクトを行ってきました。
結果的に、まちづくりや市の盛り上がりに貢献しているところも多分にあるのです。
これまで行ってきたプロジェクト内容はこんな感じ!↓
大人気!JK課スイーツ
出典:鯖江市役所公式サイト
JK課が参加するイベントで度々登場するJK課スイーツは毎回大人気!
JK課スイーツは、鯖江市内11の和洋菓子店舗のシェフによる「ボーノ夢菓房」とのコラボによってつくられたもの。
プリンや生ケーキ、レッサーパンダのしっぽを模したスイーツなど、イベントごとにさまざまなJK課スイーツを販売するなどしています。
とっても人気があるので、早めに行かないと売り切れてしまっていることもしばしば…。
JK課が参加するイベントに行く時は、まずはJK課スイーツをチェックしてみてください!
ピカピカプランでJK課と一緒に楽しくお掃除!
ピカピカプランとは、鯖江の町を楽しくキレイにしよう!というゴミ拾いイベントで、誰でも自由に参加することができます。
定期的に開催されているので、機会があれば行ってみては?
ハロウィンには仮装してゴミ拾いをするなど、女子高生らしい楽しいイベントとなっています。
詳しい日程等はJK課公式ブログをこまめにチェックしてみてください!
鯖江市役所JK課は誰でも参加出来るの?
とっても興味深い鯖江市役所JK課。
私も参加してみたい!という方も多いのでは?
鯖江市役所JK課への参加資格は鯖江市在住、または鯖江市内の高校に通う女子高生であること。
初期はテレビや新聞などのメディアでも大きく取りあげられていたので、最初の募集はかなり派手だと思っていたのですが、実際はまったく違かったよう。
あるJK課OGはTwitterでたまたまJK課を知り、半信半疑ながらも興味を持って参加を決めたそうです。
2期生募集の際はポスターを制作したり、3期生募集の際にはJK課メンバーによるイベントに中学生を呼んだりして呼びかけをしたそうです。
残念ながら男子高校生は参加できないのですが、実は今、男子高校生も参加する若者部会SAN(詳しくは後述)や、男子高校生のためのDK課の準備を模索しているそうなんです。
鯖江周辺の男子高校生は要チェックですね!
鯖江市が掲げる「鯖江市民主役条例」とは
嵐ファンおもてなしプロジェクトで活躍するSANのメンバー
出典:鯖江市役所公式サイト
鯖江市には「鯖江市民主役条例」という条例があります。これは、市民1人1人が鯖江の主役であり、みんなでふるさとを再生しましょうといった内容の条例です。
よく考えれば当たり前のことではありますが、それを条例にしてしまうのが鯖江市らしさ。
JK課もこの鯖江市民主役条例に基づいて活動をしています。
また、鯖江市民主役条例推進委員会の若者部会の中には「SAN」というチームもあり、ここでは男子高校生や大学生が、若者の居場所と出番を創出するまちづくりイベントを自分たちで企画、実施しています。
JK課に入る資格を持っていない方は、こちらでまちづくりに関わるのもおすすめです。
ある市民協働課の職員の方は、今後の活動で大事になってくることは「市民を巻き込むこと」と言っていました。
公務員や行政ばかりにまちを任せず、自分からまちを変えたい!と思っている方は、鯖江市役所のサポートのもと、どんどん楽しいまちづくりに参加してみましょう。
鯖江市役所JK課が総務大臣賞を受賞!
鯖江市役所JK課は、今や全国が注目するまちづくりプロジェクトのモデルとなっています。
その証拠に、総務省の平成27年度ふるさとづくり大賞ではJK課の活動が評価されて、鯖江市が総務大臣賞を受賞しました。
さらに、高校現代社会資料集の表紙にも採用されています。
豊橋市JK課広報室など全国に広がるJK課!
当初は「JK」という名称に賛否両論がありましたが、豊橋市役所JK広報室や湖南市役所JK課など、今や全国にJK課が広がってきています。
鯖江市役所JK課のメンバーは、2016年夏には「全国高校生まちづくりサミット」を開催し、全国各地でまちづくりを本気でがんばっている高校生にこれまでの活動を全国に発信したり、活発な意見交換をして、お互いにこれからの活動の刺激と活力になるような機会も設けていました。
これからも全国でJK課の活動が広がっていくといいですよね。
プロデューサーの若親雄純さんの著書でもJK課について触れられています。
創造的脱力 かたい社会に変化をつくる、ゆるいコミュニケーション論 光文社新書 / 若新雄純 【新書】 価格:864円 |
ここまで読んでみて、JK課は「まちづくり」のための団体だと思った方が多いかもしれませんが、実際はそうではありません。
JK課は全てをJKたちに任せているので、結果がまちづくりっぽいものに直結するものもあれば、そうでないものもありえます。
JK課で目指したものは、市役所や公共サービスのあり方を見直し、本当の市民協働とは何かを見直すところにあったようです。
これからのJK課の活躍にも目が離せません!