移住や地域を考える『鯖江・若者×いなか超会議』が面白かった!【イベントレポート】

移住や地域を考える『鯖江・若者×いなか超会議』が面白かった!【イベントレポート】

鯖江市の河和田地区で行われた『鯖江・若者×いなか超会議』。
日本を代表する有名ブロガー・イケダハヤトさんと個性あふれるメンバーによる「若者を元気にするいなか」についてのトークセッションの様子についてレポートします。

あまりにも楽しいイベントだったので、長々と書きすぎてしまいました。
読み終わった時には消耗しているかもしれません、すみません!

『鯖江・若者×鯖江・若者×いなか超会議』が行われた街・河和田とは

鯖江市の河和田(かわだ)地区で行われた鯖江・若者×いなか超会議

河和田地区は、鯖江の市街地から車で20分程度、山々に囲まれた人口4000人ほどの集落です。
古くから越前漆器などの産業が盛んで、現在でもメガネ工房や漆器店などが多く立ち並ぶ、福井・鯖江を代表するものづくりの街です。

当日は、河和田「くらしの祭典」が行われていたので、そちらも楽しんでから参加しました。

dear ディア ふくい 福井 fukui 超会議

漆器が売られていたり地元の名物料理が食べられたりと、まさに河和田の人々の「くらし」ぶりがわかる素敵なイベントで、多くの人が訪れていました。

超会議会場の「漆塗りエレベーター」が素敵!

「くらしの祭典」をちょっぴり楽しんだ後に向かった先は、河和田コミュニティーセンター。
ここが今回の超会議の会場です。

なんと本物の漆塗りのエレベーターが出迎えてくれました。

dear ディア ふくい 福井 fukui 超会議

さすが漆器の街!素敵!

当日はあいにくの雨でしたが、超会議には120名ほどが集まっていました。

dear ディア ふくい 福井 fukui 超会議

超会議のゲストはイケダハヤトさん!

dear ディア ふくい 福井 fukui 超会議

今回の豪華ゲストは「まだ東京で消耗してるの?」で有名な、プロブロガーのイケダハヤトさん。

1986年神奈川県生まれ。
2009年に早稲田大学政治経済学部を卒業後、半導体メーカー大手に就職。11ヶ月でベンチャー企業に転職。
ソーシャルメディア活用のコンサルタントとして大企業のウェブマーケティングをサポートし、社会人3年目に独立。
現在は高知県に移住し、主にプロブロガーとして活動中。
著書に「年収150万円で僕らは自由に生きていく(星海社新書)」「武器としての書く技術(中経出版)」「新世代努力論(朝日新聞出版)」などがある。

超会議の概要はイケハヤさんがtwitterにもアップしてくれていました。

イケハヤさんが高知に移住したことで高知に注目する人も増えていますが、イケハヤさんが高知に移住したのは、高知を盛り上げるためではありません。
むしろ高知に住んでから仕事がよりうまくいくようになるなど、自分が「いなかによって活性化された」とイケハヤさん。

また、

×「いなかを元気にする若者」

◯「若者を元気にするいなか」

の講演では、イケハヤさんが考える「若者が活性化されるいなか」の7つの条件を話してくれました。
イケハヤさんのブログに当日使ったスライドがアップされているので、見てみてください。

個人的には、一つ目に紹介された「いい感じに衰退してる」というキーワードに共感しました。

例えば福井で過ごしていると「福井は何もない」という言葉をよく聞きます。
しかし、何もないからこそ新しいものが作りやすいというメリットも絶対にあるはずです。
「何もない」とか「衰退している」と感じたなら、それはチャンスなのかもしれません!

トークセッションもアツい!

dear ディア ふくい 福井 fukui 超会議

イケハヤさんの講演後は、鯖江市内の様々な立場の人によるトークセッションが行われました。メンバーはこちら。

新山直広

新山直広氏

TSUGI代表、デザインディレクター。
大阪府出身。河和田アートキャンプをきっかけに鯖江市に移住し、産地に寄り添うデザイン会社を起業。

森一貴

森一貴氏

教育プロジェクト「CUE」代表。
山形県出身。東大卒・元コンサルタント。鯖江市体験移住事業「ゆるい移住」に参加し、鯖江市を拠点に活動中。
田中碧

田中碧氏

鯖江市役所JK課OG、一般社団法人ゆるパブリック理事長。
福井県永平寺町出身。福井工業高等専門学校在学中。
中本邦子

中本邦子氏

鯖江市役所JK課OG、一般社団法人ゆるパブリックメンバー。
福井県坂井市出身。福井工業高等専門学校在学中。
若新雄純

若新雄純氏

鯖江市役所JK課プロデューサー、鯖江市体験移住事業「ゆるい移住」コーディネーター。
福井県若狭町出身。慶應義塾大学特任講師。

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盛りだくさんのトークセッションでしたが、その中でも気になったワードを幾つか挙げてみたいと思います。

東京はスタンプラリー

「福井には何もない」、「東京にはなんでもある」と言う人がよくいます。
しかし、都会には本当になんでもあるのでしょうか。

確かに、新しいカフェができても、ショッピングセンターができても、名前が違うだけでだいたい中身は同じようなものであることが多いかもしれません。

それに対して「いなかは作る余地があってワクワクする」と田中碧さん(JK課一期生)。
「何もないなら作ってみたらいい」、「作っていいよ」という雰囲気があることが、「若者が元気になるいなか」の条件なのかもしれません。

ゆるい移住のゴールはなんだったの?

私も、登壇した森さんも参加していた鯖江市の体験移住事業『ゆるい移住』。
ゴールを定めず、半年間家賃無料でとりあえず鯖江に住んでみよう!というプロジェクトでしたが、ゴールが気になる人は多かったようで、話題にのぼりました。

私たち参加者は、こんな風に受け入れてくれる地盤がある鯖江にものすごく愛着を持ちました。
さらに、家賃無料という環境の中で、資本主義からの脱却とか、田舎とは?移住とは?地域活性とは?モラトリアムとは?…
と、数え切れないくらいの物事を考えることができました。まだ答えは出ていませんが。

また、ゆるい移住によって「わけのわからないよそ者を受け入れる準備みたいなものができた」と言う方もいます。
そして私たち参加者も「鯖江に移住するのはとってもいいよ!」と色々な人に言えるようになりました。

こんな風にゆるく移住できる地盤がいろいろなまちにあると「移住=定住」ではなく、「数多くの拠点の一つ」と考えることができるようになって、地方同士が人を取り合う必要も無くなるのかもしれません。
人間が気ままに循環するような日本になったらいいのでは…。

いなかのキーパーソンと移住者の関係…

いなかに移住したいと思っても、近所づきあいをはじめとした人間関係が難しそうというイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。
話題は、いなかには必ずキーパーソンがいるというお話へ。

移住者をたくさん呼びたい一方で、いざその人が目立つと足を引っ張ってくるのでは?と懸念している人も多いよう。
最初からお互いを上手に使い合うという意識で生活すれば、そんなすれ違いも起こらないのでは?というお話でした。

私は鯖江にたくさんのものをもらったので、今は鯖江にいくらでも利用されたいと思っています。
だって頼られるのって、ちょっと気持ちよくないですか?

田舎はベンチャー企業

超会議中は、来場者がスマホなどからコメントを投稿すると、リアルタイムで会場前方に表示されるというシステムが導入されていました。

コメントの中には
「パネラーは特殊な人たち」
「普通の人が田舎に移住するにはどうすればいいの?」
「なかなかできることじゃない」
といった声がかなり上がっていました。

これらのコメントに対するパネラーの総意は「それはその通りで、移住するのは無理!」ということ。

「東京で消耗してくれる人がいなければ日本は成り立たないし、みんながみんな地方に移住することがいいことではない」
「都会には都会の良さ、いなかにはいなかの良さがあるので、あまり深く考えずに、住みたいところに住んだらいいのでは?」
「まずは、地方に行っても生きていける人が移住してみる。その人たちが移住しやすい地域を作れば、どんどんいろんな人が移住できるようになる」

といった意見が飛び交いました。


つまり、人が人を呼ぶということですね。
人が呼んだ人は地域に根付きやすいし、人のフィルターがかかっているので、面白い人が集まりやすい。
イケハヤさんは、「自分が住んでいる場所を、バカを呼びまくってバカだらけにしたい」と基調講演でおっしゃっていました。

すごくかいつまんで書いてしまったので、イケハヤさんのブログなどもぜひ読んでみてください!

最後に、こうやって何か一つの物事を通して「鯖江に興味がある」人が一ヶ所に集まること自体がとても素敵で貴重だなと思いました。
鯖江、いい街ですね!

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dear ディア ふくい 福井 fukui 超会議
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