あわらの秋の味覚『越前柿』とは?手作り干し柿・あんぽ柿は秋のお土産におすすめ!
地元の人でもあまり知らない?ツウな特産品を見つけました。
あわらの秋の味覚『越前柿』です。越前柿の特徴や歴史、お土産にもぴったりな『越前花咲干し柿』の工場の様子を、『農事組合法人 かなづ干柿組合』さんでお話を伺い、見学してきたので、ご紹介します。
越前柿とは
福井県全体の柿の生産量は約700tと、そこまで多くはありません。
(トップの和歌山県は35,300t/平成30年産出荷量より)
しかし、福井県から出荷される柿の約3分の1が、あわら市から出荷される越前柿なんです。
越前柿の品種
越前柿の品種は『刀根早生(とねわせ)』と『平核無(ひらたねなし)』の2種類。
平核無は渋柿の代表品種で、名前の通りひらべったく、種がないのが特徴。
刀根早生は平核無の枝変わり(突然変異のようなもの)で、平核無より約10日早く実をつけるので、収穫期も早いです。
越前柿の歴史
越前柿の栽培が始まったのは意外と最近。
昭和53年に金津町(現 あわら市)で平核無が10.5ha植栽されたのを皮切りに、昭和61年からは刀根早生が植栽されました。
出荷が始まったのは昭和58年。
翌年には炭酸ガスによる脱渋、選果施設が建設されました。
出荷は平成13年に350t以上でピークとなり、その後は横ばい傾向で、平成29年は220t出荷されています。
渋抜きが必要!
いきなりですが、ここで柿の基礎知識をおさらいします!
柿には甘柿と渋柿の2種類がありますが、世の中にある柿の種類のうち、99%は渋柿なんだとか!
かなづ干柿組合では『太秋(たいしゅう)』という甘柿も生産していますが、越前柿と呼ばれる刀根早生と平核無はどちらも渋柿です。
つまり、食べるには渋抜きをする(合わせ柿にする)か干し柿にする必要があるんです。
ちなみにこちらが渋抜き後の越前柿。
見た目は渋抜き前と全く変わりませんが、味は全然違います!
そもそも柿が渋いと感じるのは「シブオール(カキタンニン)」が原因。
しかし、甘柿にもシブオールは含まれています。
甘柿と渋柿の違いは、シブオールが可溶性(口の中で溶ける)になっているかどうか。
つまり渋抜きとはシブオールを抜くことではなく、シブオールを口の中で溶けない状態にすることなんです。
渋抜きの方法はいくつかありますが、かなづ干柿組合ではアルコール、二酸化炭素、温湯などで処理しています。
こうすることでアセトアルデヒドという物質が生じ、これがシブオールを不溶性にしてくれるそうです。
お土産にいかが?『越前花咲干し柿』
渋柿を食べるためには、渋抜きするだけでなく、干し柿にするという方法もあります。
かなづ干柿組合では『越前花咲干し柿』と『越前花咲あんぽ干し柿』(あんぽ柿=硫黄で殺菌して乾燥させる干し柿。半生状態が特徴)も生産しています。
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今回は、越前花咲干し柿づくりの様子を見せていただくことができました。
ヘタ取り〜皮むき
工場内にお邪魔すると、5人くらいの方が手作業で柿を剥いていました。
越前花咲干し柿は全て手作業で作られているそうです。
硫黄処理
皮むきされた柿は、「イオウ燻蒸室」で硫黄処理(殺菌)されます。
これが硫黄。うっすら黄色がかった粉でした。
乾燥
殺菌された柿を、吊るして乾燥させます。
だいたい4週間ほど乾燥させるそうです。
ずらっと並んだ干し柿の姿は、ちょっと可愛らしくも見えました。
しっかり乾燥が進むとこんな感じに。
でも、さっきの写真と形がちょっと違うと思いませんか?
さっきの写真は、平たい柿がそのまま乾燥されたように、四角い形になっていました。
これが細長い干し柿の形になるのには、次の作業に理由がありました。
手揉み
乾燥させて2週間ほどしたら、「手揉み」という作業を行います。
揉むことでで渋みが均等に抜けて、早く甘くなるほか、真ん中の筋のような部分が切れてくれるそうです。
この作業をすると、四角かった柿が…
見慣れた干し柿の形になりました!
この後、選別や包装、箱詰めを経て、やっと出荷されます。
手作りされた越前花咲干し柿は自然な甘みで、なんとなく懐かしく、あったかい気持ちに。
大切な人へのお土産や贈答品にぴったりだと思います!
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越前柿は、地元でも知る人ぞ知る隠れた名産品です。
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