山頂の絶景まで20分!歴史ロマン感じる『村岡山』の見どころ紹介【勝山市】

山頂の絶景まで20分!歴史ロマン感じる『村岡山』の見どころ紹介【勝山市】
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「勝山市と言えば『恐竜博物館』」とイメージする方が多いと思いますが、筆者の一押しスポットは、『村岡山(むろこやま)』。勝山の名前の由来になった村岡山の歴史や見どころを紹介します!

『村岡山』ってどんな山?

写真左が恐竜博物館。その右隣手前の低い山が村岡山

村岡山は恐竜博物館から車で約3分の位置にあり、山頂まで大人の足で片道20分で登れる標高約300mの低山です。登山道も歩きやすいため、子どもから大人まで手軽にハイキングを楽しめます。

しかし、低山だからといって侮るなかれ!
登山の道中や山頂には絶景ポイントがたくさん!

さらに、この山はただの山ではありません。
一向一揆が広がった室町後期から戦国時代、勝山で大きな力をもっていた平泉寺との対立で、一揆勢が山城を築いた場所でもあるのです!
この際に一揆勢が勝利を納めたことから村岡山は「勝ち山」と呼ばれるようになり、勝山市の名前の由来となりました。

そんな歴史や、山城の遺構についての案内板も小まめに設置されていて、歴史ロマンに浸りながら登れるのも村岡山の魅力のひとつです。

いざ村岡山へ!見どころもたっぷり紹介します!

村岡山には寺尾ふれあい会館横の『寺尾口』と村岡神社本殿の側にある『郡口(こおりぐち)』の二つの登山口があります。

寺尾口ルート(赤線)・郡口ルート(緑線)ともに山頂までは片道20分ですが、寺尾口からのほうが比較的傾斜がゆるやかで登山道の整備も整っているので、小さなお子さんと一緒に登る場合は寺尾口ルートがおすすめです。
※黄色に示したのはビューポイント。
今回は、小学2年生の娘と寺尾口ルートを登ってみます。道中の見どころも紹介しますよ!

見どころ①お遍路石像

歩き始めるとすぐの見えてくるのが、かわいらしいサイズの石像。
登頂への無事を祈っておきましょう!

あとから調べてわかったのですが、この石像は、昭和の頃に全国的に巡礼がブームとなったとき、地元の方が寄進したものだそう。

寺尾口からは西国三十三ヶ所、村岡神社からは四国八十八ヶ所の石像が安置されています。
つまり、村岡山を一周すると西国三十三ヶ所と四国八十八ヶ所巡礼の両方を小一時間で達成できちゃうということ!面白い!

見どころ②山城の遺構

石像を横目にしばらく登っていくと、でこぼこ畝が山の斜面に縦に添うように何本もついている場所が!
看板には『畝状空堀群』とあります。

攻めてきた敵が山の斜面を登ろうとするとき、まっすぐに登るのは辛いので、蛇行しようとしますよね。
その動きを制限するためにつくられているそうです。

畝状空堀群の上には平坦面があり、そこから先ほどの畝を見下ろすと敵の動きが一目瞭然なのがよくわかります。
ここから石でも弓でも放てば敵を一網打尽にできたに違いない!
巧みに計算してつくられた山城なんですね!

続いて、城の入り口『虎口』が見えてきます。狭い入り口のまわりに土塁(土の壁)が築かれています。

勝山市の学芸員さんによると、「この虎口には、つくられた当初は木造の門があったのではないか」ということでした。土塁で視界が閉ざされ、何が起こるかわからない恐怖感があります。

虎口を思い切って突破するとそこには…

ものすごく開けた場所が!!

うわーー!まさかの狙い撃ちスポットだったんですね!
まんまと罠にかかってしまいました。
山頂までたどり着くには、命がいくつあっても足りないなぁ…。

その先には土の橋『土橋』があり、土橋を渡った先の高台が主郭(本丸)です。
1人ずつしか通れないようにわざと道を狭くしてあるみたい…。
上から集団で石や弓などで攻撃するのだろうなぁ…。
こんなに渡りたくない橋は初めてです(笑)

そして、本丸の周りは数メートルほどもある堀でぐるっと囲まれていました。

機械のない時代に人の手でこれだけの堀を築くにはどれだけの苦労があったことでしょう。
人間の底力を感じずにいられません。

なお、村岡山城の遺構は一向一揆勢が築いたものと、その後柴田勝家が福井城へ入り、柴田義宣に一向一揆の討伐を命じたときに築かれたものの両方があわさって存在していると考えられています。

見どころ③山頂からの絶景

登山開始から20分ほど。無事山頂についたぞ~!
生きてて良かった(笑)

そして、山頂からの風景の美しいこと。
恐竜博物館を見下ろせるなんて、とてもレアなアングルです。

青や緑色の濃淡が綺麗な尾根の連なりを背景に、田園風景のなか優しく抱かれる恐竜の卵…。
いいなぁ。

娘が手に恐竜の顔を描いてくれたので、こんな写真も撮ってみました!

「恐竜のたまご食べちゃうぞ~!」

ほかにもいろいろ面白い写真が撮れそうです♪

山頂近くには、ベンチと椅子もあるので、景色を眺めながらおやつやお弁当を食べられます!

せっかくなので、ここでおやつをいただきます!

今回持ってきたのは、『道の駅 恐竜渓谷かつやま』のオリジナル商品である『勝ち山羽二重』と、勝山でとれたお水『恐竜水』(非売品)。

羽二重餅と言えば、福井を代表する和菓子ですが、勝ち山羽二重は、勝山らしく山の幸のくるみが入っているのが特徴。
100%福井県産の餅粉を使用し、沖縄産黒糖の甘さがじんわりしみわたります。
勝ち山で勝ち山羽二重を食べたら勝運がUPしそう!

エネルギーチャージもできたことだし、さて、下山しよう!と思ったら、奥のほうに展望台の看板を発見!

え!?この先にも道があるの!?

ここから先の景色は実際に行ってみてのお楽しみ!
個人的には、この先にある展望台からの景色が一番好きだったりします(笑)

見どころ④村岡神社

もうひとつの登山口・郡口にある『村岡神社』は明治時代につくられた神社で、長い坂の参道を登りきると写真の本殿があります。
夏でもひんやりと涼しく神秘的な雰囲気が漂う美しい場所です。

おすすめの登山時期は?

最後に、村岡山のおすすめ登山時期をご紹介!
おすすめは、3月下旬~4月頃と、8月の提灯登山です。

【3月下旬~4月】桜と残雪の山々が美しい!

4月の村岡山からの風景

村岡町の『まちづくり・むろこの会』が定期的に登山道の整備をしているので、雪が解けた4月から11月頃まではハイキングを安全に楽しめます。
なかでも草木が茂る前、雪解け直後の3月下旬から4月いっぱいは、村岡山の桜と、遠く残雪が白く輝く山々の風景が楽しめるため、おすすめです。山城の遺構も確認しやすい季節です。

なお、1月から3月は雪山登山を楽しむこともできますが、雪山が初めての方は慣れた方と行くようにしましょう。
登山の際には念のため熊鈴を用意して登ることをおすすめします。

【8月16日】村岡山が最も熱くなる『提灯登山』

提灯登山の様子

提灯を持って夜の村岡山を登る『提灯登山』の日もおすすめです。
毎年8月16日に開催されており、村岡山が最も熱くなる日とも言われています。

提灯の薄明かりを頼りに夜に山へ登るなんてスリル満点ですよね!
当日は、山頂でのくじ引きやオカリナ演奏など、様々な催しが開催されているそうです。

村岡山は山城ならではの歴史ロマンに浸れる場所でした!

実際に登ってみて、村岡山は子連れでも手軽に登れて、歴史ロマンに浸れる山であることがよくわかりました。
山城の遺構をはっきりと確認できるので、まるで戦国時代にタイムスリップした気分に!

自然に癒されるだけでなく、サバイバル気分にもなれちゃう山があるなんて驚きです!
すっかり山城の虜になってしまいました。

村岡山のことを教えてくださった皆様。左から、村岡まちづくり会館館長さん、筆者、まちづくり・むろこの会会長・福本さん、村岡山里山公園化実行委員会会長・笠川さん

福本さんによると、今後は郡口ルートの登山道の整備もしていく予定だそう。

山の整備には大変な労力と時間がかかります。
管理する人の高齢化も進む中、最近では地元の中学生や市外の村岡山ファンの方も整備を手伝ってくれてるようになってきたそうで、村岡山はたくさんの方々の想いが集まって守られていることを改めて知ることができました。
登山の際に出たゴミは持ち帰るなど最低限のマナーを守ってハイキングを楽しみましょうね。

また、市内には村岡山以外にも山城がいくつもありますので、あなたならではの勝ち山歴史物語を想像しながら山城めぐりを楽しんでみてはいかがでしょうか?

山城跡もある三室山の記事はこちら→https://dearfukui.jp/history/11939

村岡山の基本情報・アクセス・マップ

スポット名 村岡山
住所 福井県勝山市村岡町付近
登山期間 主に4月から11月
交通アクセス 中部縦貫自動車道勝山ICから車で約8分
えちぜん鉄道勝山駅からコミュニティバス「ぐるりん中部方面」に乗り「寺尾」下車後、徒歩約5分
駐車場 ・寺尾ふれあい会館駐車場(勝山市村岡町寺尾27-14)
・村岡小学校横の駐車場

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