【刀剣乱舞】和風レイヤーさん必見!福井の最強撮影スポット『越前古窯博物館』とは
日本刀ブームを巻き起こした人気オンラインゲーム『刀剣乱舞』。
サンドーム福井でも2018年秋に「ミュージカル『刀剣乱舞』 ~真剣乱舞祭 2018~」公演がありました!
今回は、福井県内で行われた刀剣乱舞ファンによる個人主催のコスプレイベントのレポートです!
たくさんの刀剣乱舞レイヤーさんが福井に!
この日、約30名の刀剣男士(刀剣乱舞に出てくるキャラクターのこと。刀を擬人化している)レイヤーさんたちが、福井県越前町に大集合!
私にとって初めてのコスプレイベント。
生で見るレイヤーさんたちの完成度の高さやこだわりに感動しきりでしたが、何よりすごいのが、この撮影スポットの雰囲気。
和の雰囲気の中での撮影は本当にリアル!
畳、障子、縁側、庭園の風景は、ゲームの中の本丸そのままではないですか!?
和風レイヤーさんにおすすめ!越前古窯博物館
この建物の正体は、福井県越前町の越前陶芸村の中にある、旧水野九右衛門家住宅。
越前町の伝統工芸品『越前焼』を紹介する越前古窯博物館にある建物です。
水野九右衛門氏は、越前焼の研究を生涯のテーマとした地元の古窯址研究者。
越前焼が工芸品として現在に伝えられているのはこの方のおかげと言っても過言ではないほど、越前焼を語る上では欠かせない人物です。
旧水野九右衛門家住宅はそんな水野九右衛門氏の旧宅を移築・復元したもので、現在は伝統芸能の稽古場やイベント会場、集会場として一般の人がレンタルできる、多目的のコミュニティスペースとなっています。
参加したレイヤーさんたちもこの雰囲気を大変気に入ったようで、思い思いの場所で撮影を楽しんでいました。
福井ゆかりの『太郎太刀』と『次郎太刀』の登場
しかし、今回のイベントのすごいところはそこだけではありません。
まずはこちら!
太郎太刀(奥)と次郎太刀(手前)の模造刀。
刀剣乱舞を知っている方ならもちろんご存知だと思いますが、太郎太刀、次郎太刀といえば、ゲームの中にも登場する大太刀で、その長さで大変有名。今回は、一般社団法人 朝倉氏遺跡保存協会所有の模造刀がこのイベントのために特別に展示、使用されました。
太郎太刀、次郎太刀のレイヤーさんが、模造刀といえども本物に近い太郎太刀、次郎太刀を手にした姿は本当に圧巻。
太郎太刀は、越前朝倉氏(越前国=現在の福井県北部を支配した戦国大名)の家臣である真柄直隆が使っていた刀だと言われており、写真からもわかるように、その長さは五尺三寸(約175cm)とも九尺五寸(約288cm)とも記録されています。
今回用意された太郎太刀は220cmと、大変大きなものでした。
永禄9(1566)年、足利義昭が一乗谷の朝倉義景のもとへやって来た際、直隆は義昭の前で剣の腕前を披露し、太郎太刀を頭上で数十回も振り回したという逸話が残されています。
真柄直隆の生まれは越前国真柄庄(現在の福井県越前市上真柄町)。
墓所は現在の越前市宮谷町にあり、福井に大変ゆかりのある人物です。
また、次郎太刀を使ったとされるのは真柄直隆の弟・真柄直澄である説、子・真柄隆基(朝倉氏の家臣)である説とありますが、こちらも足利義昭が一乗谷に来た際に豪傑ぶりを披露したと言われています。
太郎太刀に比べると少し短いですが、それでも180cm(今回用意された模造刀の全長)もの長さがあり、使いこなすのは至難の技であることが伺えます。
また、次郎太刀は国指定の伝統工芸品である越前打刃物の開祖、千代鶴国安(ちよづるくにやす)の作と言われており、刀自体も福井に大変ゆかりのあるものなんです。
太郎太刀、次郎太刀にもレイヤーさんは大興奮で、撮影は大盛り上がりでした。
真剣まで登場!
しかし、まだまだこれだけではないんです!
今回の一番の見どころは「真剣」!
つまり、本物の、本当に切れる刀です。
今回用意されたのは、刀、脇差、短刀
県内の白銀師・鞘師(刀づくりに携わる職人さん)の方が、このイベントのためだけに江戸時代の日本刀を持ってきてくれたんです!
刀の成り立ちや刀にまつわる豆知識にレイヤーさんたちは興味津々。
実際に刀を手に取ったりじっくり眺めたりして楽しんでいました。
刀剣乱舞のおかげで日本刀に興味を持つ女性が一気に増えており、刀剣乱舞で登場する刀を見学するツアーなどが各地で開催されていますが、真剣を手に取れるイベントは本当にまれ。
参加者の皆さんに聞いてみても、「真剣を手に取れるイベントなんて聞いたことがない、驚きました!」と口を揃えて言っていました。
茶室『天心堂』でお茶も
さらに、今回は併設する茶室「天心堂」でお茶も振舞われました。
実は私も「乱藤四郎」(みだれとうしろう)というコスチュームで参加させていただいたのですが、和風なコスチューム(乱ちゃんはあまり和風ではないのですが…)に身を包んでいただくお茶はとても美味しかったです。
レイヤーの皆さんも大満足!!
最後に、参加者のみなさんにちょっとだけお話を伺いました。
▲まずは鯰尾藤四郎(なまずおとうしろう・左)の方に!
石川県から来たというこの方。
「越前古窯博物館の存在を知らなかったので、今回初めてここに来て、雰囲気の良さや美しい世界観にびっくりした」そうです。
「もっとこの場所で撮影したい!」とのことでした。
▲続いては、県内から参加した鳴狐(なきぎつね)の女性。
古窯博物館でイベントが行われると聞いたときは、「そんな場所あった?」という感じだったそうですが、「実際に来てみたら建物の雰囲気にびっくり!すごいと思いました!」と話してくれました。
▲こちらも、県内から参加した鶴丸国永(つるまるくになが)の女性。
「越前陶芸村は遠足で来た、というイメージしかなかったので、古窯博物館の雰囲気に驚きました!また絶対に来たい!」とのことでした。
ちなみにこの方、越前焼が大好きでおちょこなどを集めたりしているそう。
「越前焼は地味って言われることもあるけど、結構素敵なんだよ!」と越前焼をおすすめしてくれました。
旧水野九右衛門家住宅のお隣は越前焼の資料館になっているので、興味がある方は併せて立ち寄るのもおすすめです!
▲最後に、今回のイベントの主催者で歌仙兼定のコスプレをしていた625さんにお話を伺いました。
越前陶芸村の存在は知っていても、越前古窯博物館は知らなかったそう。
友達に紹介をしてもらい、最初に下見に来た時は「新しくて綺麗で雰囲気も良くて、本当にこんな場所でやらせてもらえるの?」と思ったくらい、その景色や雰囲気に感動したそうです。
「広くて使いやすいし、ここまで景色がいい場所で撮影できることはなかなかないので、普段撮れない写真が撮れました」と満足している様子でした。
真剣については、最初は「真剣?嘘でしょ?」「博物館で展示してあることはあっても、実際に触れるなんて信じられない」と思ったそう。
実際に触ってみると「思ったよりも軽くて、コスプレで使う模造刀はもっと重い物もあるのでびっくり。お話まで聞けると思いませんでした。」と、イベント内容にもとても満足したようでした。
まだまだある!刀剣乱舞に登場する福井ゆかりの刀たち
また、625さんには、刀剣乱舞に登場する他の福井ゆかりの刀についても教えもらいました。
- 御手杵(おてぎね):越前北ノ庄藩(現在の福井県嶺北中心部)初代藩主・結城秀康が使用した槍
- 鶯丸(うぐいすまる):越前勝山藩主に伝わった刀。明治時代に天皇に献上され、現在も皇室御物となっている
- にっかり青江:北ノ庄城(現在の福井市)主・柴田勝家が一時期所有していた刀。柴田勝家、養子の勝敏からさまざまな人の手に渡り、福井とも縁のある京極家(17代当主・高次は初代若狭小浜藩主)に行き着いた
- 一期一振(いちごひとふり):戦国時代は朝倉氏が所有していた
刀剣乱舞の中に登場するだけでも、福井ゆかりの刀はこんなにたくさんあるんですね!
福井の歴史や刀に俄然興味が湧きました。
その他にも、公家の九条家が秘蔵していたという説のある『小狐丸』が、「福井にあったって本当!?」と福井市郷土歴史博物館のTwitterで紹介されたことがあったり…。
【三日月宗近】の作者としても知られる三条小鍛治宗近が鍛えた名刀【小狐丸】が福井にあったって本当!?
「小狐の太刀の話」http://t.co/eEdiwQLjp7
— 福井市の歴史博物館 (@FukuiHistory) 2015年4月30日
この「小狐の太刀の話」によると、福井藩に関する歴史書『続片聾記(ぞくへんろうき)』に、「春日神社で小狐丸らしき太刀が見つかった」との記載があるそうです。
さらに、刀剣乱舞には登場しないものの、福井にゆかりのある刀として『朝倉藤四郎』を教えてもらいました。
名刀格付けで、「名物三作」の筆頭に挙げられる粟田口藤四郎吉光(あわたぐちとうしろうよしみつ)の作品で、五代朝倉義景が所持していた由緒からこの銘が付けられました。
粟田口派は刀剣乱舞のゲーム内でもっとも人数の多い刀派であり、藤四郎の刀もたくさん登場しています。
一乗谷朝倉氏遺跡資料館では、2018年9月から「第3回特別公開展『戦国の輝き ~朝倉氏ゆかりの名刀降臨~』」が開催され、「朝倉藤四郎」が445年ぶりに一乗谷に帰ってきました。
今回のコスプレイベントは、福井県だけでなく、北陸三県、それよりもさらに遠くの県から参加した方もいたそうです。
「古窯博物館の佇まいに感動、満足したので、絶対にまた来たいです」との声が本当に多く聞かれました。
和風コスプレイベントなら、越前古窯博物館を使ってみませんか?
利用案内の詳細はこちら→http://info.pref.fukui.lg.jp/tisan/e-old-kiln/facility.html
越前古窯博物館の基本情報・アクセス・マップ
名称 | 越前古窯博物館 |
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住所 | 福井県丹生郡越前町小曽原107-1-169 |
電話番号 | 0778-32-3262 |
開館時間 | 9:00〜17:00(入館は16:30まで) |
休館日 | 月曜日(祝日を除く)、休日の翌日(土・日・祝日を除く)、12月28日〜1月4日 |
料金 | 以下をご覧ください http://info.pref.fukui.lg.jp/tisan/e-old-kiln/facility.html |
交通アクセス | JR武生駅から福鉄バス越前海岸線かれい崎行(約25分乗車)陶芸村口下車後徒歩10分 北陸自動車道 武生ICから車で約30分 |
駐車場 | あり |
wi-fi/コンセント | あり/不明 |
SNS | instagram https://www.instagram.com/explore/locations/793502867471095/?hl=ja Twitter @40vHnh1OlGkCS9j Facebook https://www.facebook.com/越前古窯博物館-793502867471095/ |
WEBサイト | http://info.pref.fukui.lg.jp/tisan/e-old-kiln/ |