長田製紙所で揉み和紙アクセサリー作り!RENEWで職人の日常にお邪魔しました【越前市】
福井県の伝統工芸品・越前和紙の工房『長田製紙所』で揉み和紙アクセサリー作りに挑戦しました!
越前和紙とは?
福井県内にはさまざまな伝統工芸品があります。
越前焼、越前漆器、若狭塗、若狭めのう細工…と全部で7品目が経済産業大臣指定の伝統的工芸品となっています。
中でも歴史が長いのが、越前和紙。
その始まりはなんと1500年以上前に遡ると言われていて、
日本で最初の藩札とされている福井藩札はもちろん、
明治維新後初めてのお札『太政官札』も越前和紙製。
明治に入り、大蔵省抄紙局が用紙の独自製造を再開した際の技術指導を行ったのも越前和紙の職人。
なんと、透かし技法を開発したのも越前和紙と、
挙げればキリがないほど、日本の紙の歴史に深く関わっている和紙なんです。
江戸時代には『越前奉書』という上質な和紙が江戸幕府の御用紙として使われているなど、格式も高く、
現在でも証券や卒業証書などの証書に正式の用紙として使われています。
そんな越前和紙は、福井県越前市の一部地域でのみ作られています。
現在も30名ほどの伝統工芸士によって、その伝統と技術が受け継がれています。
長田製紙所で揉み和紙アクセサリー作り!
今回は、特に襖紙にこだわりがあるという越前和紙の会社『長田(おさだ)製紙所』にお邪魔しました。
看板は和紙で模様が施されています
長田製紙所を訪れた理由はこちら。
揉み和紙アクセサリーです!!
実は長田製紙所では、揉み和紙(揉み紙)を利用して、アクセサリーや小物などの新しいプロダクトを提案していることでも注目を集めている会社。2019年春からこの揉み和紙イヤリング・ピアスの販売を始めたそうで、この日は、こんなに可愛いアクセサリーが自分の手で作れるワークショップが開催されたんです。
会場に入ると、テーブルの上には色とりどりの揉み和紙が。
この中から好きなだけ揉み和紙をとって、ちぎったり切ったり重ねたりしてアクセサリーを作っていきます。
作り方自体はとても簡単ですが、デザインを決めて揉み和紙を選ぶのがとっても大変。
目の前に置かれた見本を見ながらああでもない、こうでもないと、揉み和紙を取っては置いて、取っては置いて…を繰り返してしまいました。
悩み抜いた末に、私はブルー系の揉み和紙を使うことに。
冬っぽくしたかったので、和紙の毛羽立ち感がしっかり出るように手でちぎっていきます。
この日はシルバーの揉み和紙もありました。
スペシャルな紙だそうなので、こちらも使って…。
同系色の揉み和紙を、大きさを変えてちぎって重ねていくと…
ちょっと形が見えてきました!
ちぎるのとハサミで切るのとでは印象が全く違うので、1枚だけハサミで切ったものも使って…。
ゴールが見えてくると余裕も出てきて、他の参加者の方ともお話しながら楽しく作業できました。
初めて会った者同士ですが、「どれにしよう」「それ可愛い!」とわいわい。
形が決まったら穴を開けて…
パーツを取り付けて…
完成!
使っている揉み和紙のカラーはどちらも一緒ですが、順番を変えて左右非対称にしてみました。
お持ち帰りは袋に入れて。
なんだか売り物みたいで、とっても嬉しい!
最後に他の参加者の方と一緒に並べて写真撮影。
ちぎったり、三角に切ったり、同じ色を重ねたり…。
同じ揉み和紙を使っているのに、手の加え方でこんなにも印象の違うアクセサリーが出来上がりました。
参加者の中には県外から来た方もいて、「本当に大満足!」と言っていました。
私も本当に楽しかったです!
作り手たちとつながる体感型マーケット『RENEW』
実は今回のワークショップは、福井県内で3日間(一部4日間)に渡って行われたイベント『RENEW』のプログラムの一つとして行われたものでした。
RENEW総合案内所 うるしの里会館(鯖江市)
RENEWとは、2015年から始まり、今年で4回目の開催となった産業観光イベントです。
当初は越前漆器やメガネの会社・工房が密集する、福井県鯖江市の河和田という人口約4,300人の小さな地域で開催されていたイベントでしたが、年々その規模が拡大し、2017年は4日間で4万2千人を動員するほどの人気イベントに。
内容や開催地域も毎年パワーアップしており、2017年は「RENEW×大日本市鯖江博覧会」と題して中川政七商店とコラボし、雑誌『ソトコト』や日本最大級のハンドメイドマーケットプレイス『Creema(クリーマ)』もRENEWにやってきました。
今年は開催エリアが大きく広がり、鯖江市、越前市、越前町が舞台。越前漆器、越前和紙、越前打刃物、越前箪笥、越前焼など、この地域の全ての伝統工芸品を始め、メガネや繊維など、さまざまなジャンルの工房、企業、飲食店が参加しました。
しかし、当初から変わっていないのは
普段出入りできないものづくり工房の見学を通じて、作り手の想いや背景を知り、体験しながら商品の購入が楽しむことができます。
出典:RENEW/2018
というテーマ。
特に伝統工芸というと、職人さんの世界で、閉鎖的であるというイメージを持っている人も多いと思います。
確かに、私たち一般人がものづくりの工房を見られる機会は非常に限られていますよね。
しかし、RENEW期間中は普段は閉ざされた工房が解放され、見学をしたり、作り手からお話を聞いたり、ワークショップを通して技術に触れたり、実際に商品を購入したりとさまざまな体験ができます。
この数日間は、街全体が訪れた人を歓迎してくれているかのよう。
越前和紙が盛んに作られているエリアでは、所々でRENEWの目印である赤い水玉ののぼりを見かけました。
長田製紙所も、この日はもちろんRENEW色。
付近は一般の民家も多い普通の住宅街。
そんな場所を、赤い水玉のパンフレットを持ったたくさんの人が行き交う様子は少し不思議でもありましたが、職人さんたちの日常にお邪魔する、というRENEWらしい感覚が味わえました。
工場見学の様子はこちらでご紹介しています!>>日本に数社!手漉きの襖紙を作っている『長田製紙所』にお邪魔しました!
長田製紙所には販売スペースも設けられているので、こちらでアクセサリーやトートバッグを始め、さまざまな和紙アイテムを購入することができます。連絡すれば対応してもらえるので、近くに行く際には立ち寄ってみては?
また、オンラインショップもあるので、チェックしてみてください!
長田製紙所の基本情報・アクセス・マップ
名称 | (株)長田製紙所 |
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住所 | 福井県越前市大滝町29-39 |
電話番号 | 0778-42-0051 |
長田製紙所蔵開き&記憶の家オープン日 | 不定期(詳細はホームページなどでお知らせしています) |
交通アクセス | JR武生駅から車で20分 北陸自動車道 武生ICから車で7分 |
駐車場 | 3台(記憶の家横の神宮堂前) |
SNS | instagram @osadawashi Twitter @osadapapermill Facebook @osadawashi |
WEBサイト | https://osada-washi.jp/ |