海の底を思わせる美しい模様。若狭塗の特徴・歴史・工程とは【福井県の伝統工芸品】
若狭塗の工程
布着せ(布貼り)
布や和紙を貼って、木地の継ぎ目や裂け目を補強して整えます。
木地のひび割れ、ゆがみなどを防ぐための大事な作業です。
下地付け
完成した製品では見えない部分ですが、表面を整える大切な工程です。
生漆(きうるし)と地の粉(じのこ・焼いた粘土を粉にしたもの)を混ぜたものを塗った後、錆漆(さびうるし・細かい石の粉『砥粉』と生漆を混ぜたもの)を塗ります。
錆研ぎ
錆漆が乾いたら、砥石で研いで表面を平らにします。
中塗り
模様付けの下準備として、生漆(中塗り漆)を塗ります。
こうすることで、模様付けに使う漆が砥粉に吸い込まれないようにします。
模様付け
漆を塗り、貝殻、卵の殻、もみ殻などさまざまな素材を散りばめて模様をつけます。
一説によると、小浜は海が近く風の強い場所なので、塗りの最中に風でもみ殻などがついてしまい、そこからこの模様付けの技法が生まれたとも言われているそうです。
また、模様付けは漆の乾く速度が仕上がりに大きく影響するので、温度と湿度が重要です。
そのため、最適な温度、湿度となる12〜3月頃にしかこの作業はできません。
合い塗り・塗込み
模様付けの後は、塗りと研ぎを繰り返します。
この、「塗って研ぐ」の繰り返しも若狭塗の特徴。
合い塗り(2色以上の色漆を塗り重ねること)によって、若狭塗特有の艶と色彩が生まれます。
そしてさらに金箔をおいて、漆を塗り重ねます。(塗り込)
石研ぎ・艶塗り・墨研ぎ
若狭塗でしか見られない『石研ぎ』の工程では、目の粗いものから細かいものと順に使って研ぎ、模様をしっかり出します。
その後、艶塗り漆やさし漆を塗って、石研ぎの傷を埋めるように摺り込みます。
そしてさらに、荒炭や中炭、呂色炭(ろいろすみ)などを使って研ぎ、表面をなめらかにします。
磨き
最後は丁寧に磨きを行います。
『油砥粉』(砥粉と菜種油を混ぜたもの)→生漆など→油や研磨剤など、さまざまなものを使って丁寧に磨いて完成です。
実際はさらに作業は細分化されており、一つ完成するのに1年もの歳月がかかるそうです。
また、箸は用材や下地、工程に違いがあります。
例えばこんな感じ>>https://www.hyozaemon.co.jp/about/technique/
『御食国若狭おばま食文化館』でお土産購入&箸研ぎ体験
小浜市にある『御食国若狭おばま食文化館』は、かつて都に食料を献上していた『御食国(みけつくに)』であった小浜(若狭)の歴史がわかる施設です。
その中にある若狭工房では、伝統工芸品の購入や箸研ぎ体験などができます。
御食国若狭おばま食文化館の詳細はこちら>>日本の食文化が丸わかり!御食国若狭おばま食文化館ってどんなところ?
御食国若狭おばま食文化館の基本情報・アクセス・マップ
名称 | 御食国若狭おばま食文化館 |
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住所 | 福井県小浜市川崎3-4 |
電話番号 | 0770-53-1000 |
営業時間 | 以下URLでご確認ください http://www1.city.obama.fukui.jp/obm/mermaid/modules/content2/index.php#02/ |
定休日 | 水曜日(祝日の場合は開館) 年末年始(12/28~1/5) |
アクセス | 舞鶴若狭自動車道 小浜ICより車で10分 JR小浜駅より車で5分 |
駐車場 | 200台/無料 |
wi-fi | あり |
SNS | instagram @syokumachi Twitter ー Facebook @syokubunkakan |
WEBサイト | http://www1.city.obama.fukui.jp/obm/mermaid/ |