狼が祀られた珍しい神社・日野宮神社で澄んだ空気と自然に包まれて…【池田町】
全国的に見ても珍しい、オオカミを祀った神社・日野宮神社。
福井県池田町で最も古いこの神社は、たくさんの自然に囲まれ、神秘的な空気に包まれています。
かつては秘祭も行われていたという日野宮神社とは、一体どんな神社なのでしょうか。
日野宮神社とは?
日野宮神社の創建は今から1500年近く前の553年。
第29代欽明天皇(継体天皇の皇子)の第3皇子が狼を捕らえて山中の岩窟に閉じ込めて祀ったのが起源といわれています。
鳥居の奥には拝殿、本殿があり、本殿も間近で見ることができます。
しかし、そのさらに奥にある岩窟の奥殿の場所は明かされておらず、宮司ただ1人だけが参拝を許されていました。
日野宮神社は狼神社?
日野宮神社ではかつて狼祭りという秘祭が行われていたため、狼神社の異名も持っています。
狼祭りは毎年7月25日に行われ、宮司は奥殿のある岩窟まで赤飯を持って出かけます。
この日、村人は早くに灯りを落として眠りにつきました。
しかし、この狼祭りは昭和20年頃に途絶えてしまい、現在は行われていません。
日野宮神社に眠る文化財
まるでピラミッドのようにそびえる本殿。この中に文化財が置かれている
歴史ある日野宮神社には、文化財も数多く眠っています。
文部省認定美術品の「伯牙弾琴鏡(はくがだんきんきょう)」
昭和13年に対岸の王神の森付近の道路を改修した際に出土した古鏡で、作られたのは奈良時代と推定されています。
池田町指定文化財「狛犬」
鎌倉時代から南北朝時代に作られたと推測されています。
池田町指定文化財「鬼神面(きしんめん)」
能と深い関係がある池田町。水海地区には、国の重要無形民俗文化財に指定されている伝統行事『水海の田楽能舞』が鎌倉時代から受け継がれています。
諸国行脚の際に雪で立ち往生してしまった北条時頼のために、村人がこの場所で「田楽」(もともとは田植の時に行っていた舞踊が遊芸化したもの)を舞ったところ、時頼がお礼に「能舞」を教えたのが始まりと伝えられています。
池田町には現在でも古い能面がたくさん残されています。
しかし、鬼神面はこの一つだけなんだそうです。
これらの文化財は本殿の中にあるそうですが、残念ながら現在は見ることができません。
神秘的な空気と自然の力を強く感じる圧倒的なパワースポット、日野宮神社。
その空気に包まれながら、池田町の歴史に想いを馳せてみてはいかがですか?
日野宮神社の基本情報・アクセス・マップ
名称 | 日野宮神社 |
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住所 | 福井県今立郡池田町常安1-2 |
アクセス | 武生駅前から福鉄バス池田町方面行きで「市」停留所下車 徒歩10分 北陸自動車道 武生ICから車で約30分 |
駐車場 | あり |
WEBサイト | http://www.tannan.net/webapps/www/section/detail.jsp?id=128 |