おまじないも占いも信じない私だけど、勝山市の結神社だけは信じている理由(2)
この記事は後編です。先に前編をお読みください。
おまじないも占いも信じない私だけど、勝山市の結神社だけは信じている理由(2)
彼にはその後、恐竜博物館や地元のそば店を案内してもらって、2日目は1日目よりも仲良くなったと思う。
そして最終日。彼は他の仕事が忙しく、お昼頃でお別れすることになってしまった。勝山市内のあるそば店の前で、彼と私は最後のお別れをした。「3日間ありがとうございました」
「こちらこそありがとうございました。今後ともよろしくお願いします」
そう言うと彼は、まっすぐに右手を差し出してきた。
「ありがとうございました」
彼の手を握って、私ももう一度お礼を言った。
どちらが手を離すの? そんな戸惑いを一瞬感じたが、どちらからともなく手を離したと思う。
その夜、私は福井市の人気ゲストハウス「SAMMIE’S」にいた。
私の話を向かいで聞くさっこさんは、東大卒業後、大手企業を経て福井にUターンし、ゲストハウスのオーナーになったという異色の経歴の持ち主。それだけ聞くとバリバリのキャリアウーマンをイメージするかもしれないが、一児のママで、女子トークが大好きなほんわかした女性だ。毎回、「最近なんかないのー?」と気さくに話しかけてくれる。
「勝山で3日間取材してたんですよ。2個下の男子がいろんな場所を案内してくれて。私今まで年下って何話せばいいかわからなくて苦手だったんですけど、色々お話しできて結構楽しかったですよ〜」
「何それ?恋なの?もっと聞かせて!!!」
何気なく言った私の一言に、さっこさんはだいぶ食い気味に聞いてきた。
「恋とかじゃなくて(笑)」
ふと見ると、テーブルの上に置いたスマホにメッセージが届いた。
「今回はお疲れ様でした。最後までお送りできず申し訳ありませんでした」
そんな内容が届いていた。
お礼と今後の仕事についての返信メッセージを打ち込んでいると、
「あ、ほら!その彼でしょ!連絡取ってるんでしょ。いいじゃん〜」
と、さっこさんがからかってくる。そのまま3日間の出来事を話すと、さっこさんの中でそれは完全に「恋バナ」として捉えられているようだった。
そんなつもりじゃないのになあ。そう思いながらもノリノリのさっこさんが面白くて、私は時間が許す限り、3日間の思い出を話し続けたのであった。
あれから約2年。あの彼は今私の隣にいる。
私の夫として。
あれからしばらくして、何がどうなったのかはわからないが、私たちは自然と結婚を前提に付き合うことになっていた。お互いがお互いと結婚することが、もうずっと前から決まっていたことだったように、まだお互いのことをよく知らないから、とか、遠距離だから、とか、そんなつまらないことは一つも気にならなかった。
そして私はたまにふと思うのだ。
これは結神社のご利益だ、と。
偶然出会った人に案内された結神社を促されるままに参拝して、気づいたらその人と結婚することになっていた。だから結神社は、私が唯一信じている正真正銘のパワースポットなのだ。
今はもう恥ずかしがらずに2人で結神社にお参りにも行けるようにもなった。
これからも、結神社のご利益に感謝しながら、2人で生きていこうと思っている。
結神社(平泉寺白山神社)の基本情報・アクセス・マップ
名称 | 平泉寺白山神社 |
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住所 | 福井県勝山市平泉寺町平泉寺66-2-12 (白山平泉寺歴史探遊館 まほろば) |
電話番号(ガイド・観光情報に関するお問い合わせ) | 0779-88-8117(勝山市観光政策課) |
交通アクセス | えちぜん鉄道勝山駅から京福バス平泉寺神社前行きで12分 北陸自動車道福井北、丸岡ICから車で50分 |
駐車場 | まほろば付近や平泉寺周辺に80台以上あり |
WEBサイト | http://heisenji.jp/ |