都会的でおしゃれなカフェ『sumu』

福井駅前、赤白緑のアーケードに覆われたガレリア元町商店街。
この商店街を歩くと、木目に浮かぶ青いハートが目印のおしゃれなお店が見えてきます。

お店の目印になっている青いハートは、芸術家の西村公一さんの作品。マスキングテープで作られているそうです

こちらが、今回ご紹介するカフェ『sumu』！
落ち着いた深い青と、温かみのある木の色に癒やされます。

店内は、打ちっぱなしのコンクリートや吹き抜けの天井など、シンプルで都会的な印象。
一方で、奥の窓から差し込んでくる光が、ウッド調に統一された空間を照らし、自然な温もりを感じます。

写真映え◎口内を幸せで満たすエッグベネディクト！

sumuのオススメメニューはエッグベネディクト！
私が今回注文したのはベーコン＆オニオンver.です。

エッグベネディクト2ピースとおいしいドレッシングがかかったサラダがシンプルかつ丁寧に盛り付けられたお皿は、見ているだけで幸せな気分に。

ふかふかのマフィンに超厚切りベーコンと玉ねぎが積み重なり、ポーチドエッグが乗っかって、バランスゲームを楽しんでいるみたい。
息の合ったチームメイトたちは抜群の安定感です。
その上から黄金のsumu特製オランデーズソースがたっぷりかけられ、まるで金メダルがかけられたよう。

さらに、ポーチドエッグを真ん中からナイフとフォークで割ってみると…

とろっとろの中身が溢れだし、写真映えしますね！

黄金のエッグベネディクトは、食べるたびに口の中が幸せ～で満たされます！

ジューシーな肉厚ベーコン、とろけるたまご、ふかふかのマフィンが次々と「おいしい！」を運んできてくれて、気づいた時にはもうお皿はからっぽ。
あっという間に食べ終えてしまいました。

さわやかで身体にも良い！エルダーフラワーのコーディアル

エッグベネディクトと一緒にいただいたこのドリンクは、『エルダーフラワーのコーディアル』！
他のお店ではなかなか見かけない、珍しいメニューです。

コーディアルとは、ハーブやフルーツをシロップに漬けこんだドリンク（シロップ）のこと。

sumuでは、エルダーフラワーというハーブをつけたシロップを使ったドリンクとなっています。
コーディアルのシロップでほんのり黄味がかった透き通るグラスには、ミントがぷかぷか浮かんでおり、見るだけでも癒やされます。
飲んでみると、甘さは控えめで、さわやかなマスカットのような香りが鼻を抜け、すっきりした後味が残ります。

そして、おいしいだけでなく、なんと身体にも良いんだとか。

コーディアルのドリンク自体が、薬のように扱われてきた歴史を持っており、さらにエルダーフラワーは、イギリスでは『万能の薬箱』とも呼ばれているほど、健康に良いものとして認識されています。
たとえば、リラックスやむくみ解消、鼻炎の緩和などが期待できると言われているようです。

おしゃれな見た目でおいしくて、さらに身体にも良いというエルダーフラワーのコーディアル。
ぜひsumuで味わってみてください！

福井の青春小説『千歳くんはラムネ瓶のなか』の聖地！

ここまでsumuのオススメメニューをご紹介してきましたが、注目したいポイントはまだまだあります。
実はこのお店は、人気小説『千歳くんはラムネ瓶のなか』に登場する聖地なんです。

通称『チラムネ』は、福井出身の作家・裕夢さんによる小説で、福井の高校生たちが経験する「福井での青春」が鮮やかに、独特の筆致で描かれています。

福井市が主な舞台になっており、聖地巡礼のために県外から福井へファンが訪れることもしばしば。

物語の主人公・千歳朔と、バスケ部の女の子・七瀬悠月がエッグベネディクトやエルダーフラワーのコーディアルを口にしながら話をするシーン（2巻）など、印象的なシーンでsumuが舞台となっています。

ファンは、悠月が座っていた窓際の席に座り、エッグベネディクトとエルダーフラワーのコーディアルをいただくのが定番。

私も、悠月が座っていた席でいただきました！

また、お店の入口横の棚には、聖地巡礼ノートが置かれていて、sumuを訪れたファンが聖地巡礼の日付や感想などを書き込んでいます。
店員さんからのお返事が返ってくることも…！

ファンの聖地巡礼に寄り添いながらも、店内を作品一色に染めるのではなく、いつも通りに営業することで、登場人物たちが過ごした作中世界をそのまま味わうことができるようにしている、とのこと。
作品ファンの私はその考え方に大共感で、sumuさんのことが前よりももっと好きになりました！

駅前再開発により一旦幕を下ろすsumu。お店に込めた想い

福井駅前で近年進行中の再開発。
これに伴い、sumuは2023年9月末で一度幕を下ろします。
そこでお店の方に、sumuに込めた想いも伺いました。

「sumuを開店するときに考えていたのは、駅前に住んでいる人が使ってくれるようなお店にしたい、ということ。
都会にありそうなお店をイメージして作っていて、メニューも、福井では珍しいもので構成しようと思って考えました」とのこと。

福井では珍しいかも？生クリームが入った冷やして食べる『生カヌレ』（左）と、プレーンの『カヌレ』（右）

また、sumuのロゴは、開店当初はごはんのロゴだったそうですが、リニューアルし、現在のロゴになりました。

「何もないところに加える」ことをイメージして作られたというこのロゴ。
sumuはまさに、「何もない」と言われがちな福井に彩りを添えるような素敵なお店だと感じました。

『千歳くんはラムネ瓶のなか』ファンとしても、ファンではない知人との待ち合わせの場所としても、よく訪れていたsumuさんが閉店するのは寂しいですが、インタビューをしながら、作品に関するお話もすることができて、以前よりもっとsumuさんのファンになってしまいました。

2023年9月末までの営業なので、あなたもぜひ、落ち着いたおしゃれな空間で、おいしいエッグベネディクトとエルダーフラワーのコーディアルを味わってみてください！

sumuの基本情報・アクセス・マップ