絶景の一棟貸し宿『清流亭』に美しすぎる襖が登場!福井の伝統工芸の技が集結しました【勝山市】
勝山市にある一棟貸しの絶景宿『清流亭』。
2019年秋にオープンしたばかりですが、この度、新しいロゴと襖(ふすま)が完成し、外観、内装共にさらに洗練されたデザインに生まれ変わりました。
そこには地元・福井の技もたっぷり詰め込まれており、さらにコロナ対策まで万全なんだとか。
一体どんなお宿に変身したのか、早速訪ねてみました!
勝山駅から車で5分ほど。
九頭竜川の清流と雄大な山々が間近に迫る自然豊かな場所に、突如として現れるシックな建物。
こちらが一棟貸しの宿『清流亭』です。
清流亭は2019年秋のオープン以降、そのロケーションや一棟貸しの贅沢さが好評を博し、県外や海外からも幅広い年齢層のお客さんが集まっている宿泊施設です。
リニューアルポイント①インスタ映えバッチリなロゴ
まず目に入ってくるのが、壁面にあしらわれた印象的なロゴ。
こちらが今回リニューアルした1つ目のポイントです!
ロゴは、裏手を流れる九頭竜川、勝山の田舎道、田んぼ、山、清流亭の外観などをモチーフにしており、3つの四角はそれぞれ清流亭(SEIRYUTEI)のS、R、Tを表しているんだそうです。
こちらのロゴは、高浜町(福井県)のAgeha Design Studio.のデザイナー・鈴木俊次さんが手がけたもの。
鈴木さんは「清流亭の高級感、勝山という土地の素晴らしさをロゴで表現しました。記念撮影スポットとして使っていただき、『SNSでも発信したい』と思っていただきたい」と話します。
おっしゃる通り、私も思わず写真を撮りたくなってしまったので、早速…!
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宿泊記念の1枚はこのロゴの前で撮ってみてはいかがでしょうか。
また、玄関横には渋い看板も。
こちらは勝山市内の歴史ある神社『平泉寺白山神社』のケヤキを使った看板で、文字は地元にお住まいの元消防職員で、現在、洋蘭農家をされている玉木憲治さんが書いてくださったそうです。
リニューアルポイント②滅菌消毒でコロナ対策もバッチリ!
この度のリニューアルに合わせて、ハウスクリーニングも行われました。
作業を行ったのは、東海三県を中心にハウスクリーニングやリフォームを行っているアイスマイルサービスさん。
室内も屋外も念入りに掃除がなされ、次亜塩素酸での消毒も行われました。
「女性スタッフが多いため、きめ細かな作業ができますし、安心感があると思います」と話すのは福井営業所の代表・濱野さん。
「清流亭さんには県外からもお客様が来られるそうなので、私たちの作業によって安心してくつろいでいただけるようになれば嬉しいです」とも話していました。
リニューアルポイント③福井の技と伝統が集結した美しい襖
そして、今回のリニューアルで最も注目していただきたいポイントが、奥のお部屋にある襖です。
一面の緑が美しすぎて圧倒されてしまいます。
こちらは清流亭のためだけに作られた一点もので、福井の技と伝統が随所に使われており、さらに抗菌・抗ウイルス作用も期待できるということで、感染症対策もバッチリ!
さらに、横には恐竜の襖も!
恐竜博物館目当てで来るお子さんにも喜ばれそうです。
一面の苔が広がる歴史ある神社『平泉寺白山神社』
襖の風景は、地元出身の写真家・たとり直樹氏(スタジオ壱景たとり直樹事務所)が撮影した『平泉寺白山神社』(勝山市)の境内です。
「小さい頃からなじみのある平泉寺ですから、50年分の愛着、親しみ、畏敬の念、色々な思いを投影できたらと思いながら撮影しました。部屋に入った瞬間に平泉寺の景色がバンと目に入ってくるのか、お酒を飲みながらゆっくり眺めていただくのか、それぞれだと思いますけど、私の写真を見て『平泉寺に行ってみたい』と思ってもらえたら嬉しいです」とたとりさん。
平泉寺白山神社は開山1300年を超える歴史ある神社で、一面の苔が広がる景色がとにかく美しいんです!
中世最大の宗教都市とも言われており、最盛期には8000人もの僧兵がここで暮らしていたとか。
福井県の有名観光地『東尋坊』の名前の由来となった僧(東尋坊)も平泉寺白山神社で暮らしていたと言われています。
1575年に一向一揆で全山が焼失してしまったため、現在の規模は最盛期の10分の1程度程度となっていますが、境内を含む約200haが国の史跡に指定されており、発掘によってかつての姿が日々発見され続けている場所でもあります。
苔の見頃は6月末から7月頃。
清流亭からは車で10分程度の場所にあるため、ぜひ訪れていただきたいスポットです。
平泉寺の詳細はこちら>>【開山1300年のパワースポット】福井の苔宮・平泉寺白山神社のみどころ25選!
抗ウイルス機能で感染症対策バッチリ!漆喰越前和紙『銀雪』
銀雪用の紙を漉いている様子
襖の素材には、漆喰和紙『銀雪(ぎんせつ)』を使用しています。
福井県には、1500年以上もの歴史をもつ『越前和紙』という伝統工芸品が存在します。
銀雪は、越前和紙に漆喰を原料とした特殊な塗料を塗った製品で、なんと、消臭・抗菌・抗ウイルス効果が期待できるんだとか。
菌やウイルスは水分と共に存在しているので、銀雪の表面にくっつくと漆喰の成分が水分で溶けて強アルカリ性になり、菌やウイルスが感染性を失うというメカニズムだそうです。
長崎大学での実験の結果、インフルエンザウイルスやコロナウイルスなど、さまざまな菌やウイルスへの効果が証明されています。
福井の技が集結!
銀雪の製造には有限会社小畑製紙所(越前市)、清水紙工株式会社(越前市)、有限会社笹尾印刷所(鯖江市)の3つの企業が関わっており、今回の清流亭の襖では特に笹尾印刷所の技術が光ります。
漆喰に印刷する特殊技術 by 笹尾印刷所
こちらが銀雪専用のプリンター。
四角いパーツが右から左、左から右へと動くたびに、少しずつ絵柄が浮かび上がってきます。
しかしこの技術を確立するまでには、大変な時間と労力がかかったそうです。
というのも、漆喰は大変色がつきにくい素材で、日本には色のついた漆喰製品はほとんど存在しないんだそう。
確かに、お城の壁なんかは漆喰でできているものが多いですが、だいたい白ですよね。
また、インクをのせられたとしても、表面を覆ってしまうと漆喰の抗菌効果が得られないため、ただ色がつけばいいというわけではありません。
では、どのように色をつければいいのか。
代表の笹尾さんは国会図書館にこもって国内の論文や文献を調べましたが、ほとんど情報はなかったそうです。
そこで海外に目を向けてみたところ、たどり着いたのがフレスコ画でした。
フレスコ画は漆喰に顔料で描いていくものなので、まさに銀雪にぴったりの方法!
この技法にならい、特殊なインクも使うことで、銀雪に写真などをプリントする技術がやっと確立できたんだそうです。
また、笹尾さんは今回の銀雪の襖について
「宿泊される方に安心と同時に楽しんで頂ければという思いでお手伝いさせていただきました。世の中には、お客様も楽しめるす。感染症対策がまだないのではないでしょうか。その点で言えば、今回の襖はただ対策するだけでなく、見て楽しんでいただけるものだと思います。この襖が、楽しめる感染対策の第一歩になればと思っています」と話していました。
油団で培った技術で仕上げる by 紅屋紅陽堂
出来上がった銀雪を襖に仕上げる作業は、鯖江市の表具店・紅屋紅陽堂で行われました。
実はこちらの会社は日本で唯一『油団(ゆとん)』を作っている会社なんです。
油団
油団とは、重ね合わせた和紙にえごま油を塗った敷物のこと。
触れるとひんやりとし、敷いておくだけでも部屋が涼しく感じられるそうで、昔は夏を快適に過ごすために多くの家庭で使われていました。
しかし、最近ではエアコンの普及によってほとんど姿を消してしまったとか。
紅屋紅陽堂は普段は襖などのほか、掛け軸の修復などに力を入れている表具店ですが、4代目の牧野さんによると「油団作りには表具の基礎的な技術が詰まっているんです。今回の襖にも、長年油団作りと共に培ってきた技術や知識が、しっかり活きていると思います」とのこと。
また、銀雪は強アルカリの漆喰和紙であるため、普段使っている下張りの紙(襖紙の裏に貼られる紙)ではその効果を弱めてしまう懸念があるため、下張りの紙選びには注意を払い、つなぎ目が目立たないように毛ちぎりという技法を用いるなど、細部にまでこだわったそうです。
紅屋紅陽堂の詳細はこちら>>昔ながらの夏の敷物“油団”、最後の作り手『紅屋紅陽堂』さんにお邪魔しました
「福井の技術を集結させて、みんなで作り上げました」清流亭リニューアルに対する想い
清流亭を管理する西田さん
最後に、普段は行政書士として活躍しながら、清流亭を管理する西田さんにお話を伺いました。
「今回のリニューアルプロジェクトは、まず銀雪を使って清流亭をより魅力的なものにしよう、というところから始まりました。
そこから、看板や新しいロゴもあったほうがいい。さらには勝山の観光に貢献できるようなものにしたい、ということで看板やロゴの作成、平泉寺が描かれた襖、と次々とアイデアが出てきました。
また、今回は福井の中でも素晴らしい技術を持っていたり、一芸に秀でていたりするような方や企業の皆さんにお声がけして、『みんなで新しい清流亭を作り上げた』と思っています。
関わってくれた皆さんにも、清流亭をご自身のPRに使っていただき、全ての方にプラスになるようなプロジェクトであったらいいなと思います。
そして、来て下さったお客様にも楽しんでいただき、勝山を盛り上げる一助になれば嬉しいです」
看板の文字を手がけた玉木さんからはお祝いの胡蝶蘭も送られ、リニューアルした清流亭に華を添えていました。
関わった方みんなの気持ちがこもっているように感じられますね。
清流亭リニューアルに関わったメンバー
清流亭にぜひ宿泊を!
ロゴデザインと襖が新しくなり、滅菌消毒でコロナ対策も万全となった清流亭。
勝山市内には平泉寺白山神社の他にも、世界三大恐竜博物館に数えられる福井県立恐竜博物館や西日本最大級のゲレンデ・スキージャム勝山など、大人も子供も楽しめる人気スポットが色々あるんです!
どの場所も清流亭からアクセスしやすいので、清流邸に泊まって勝山観光を楽しんでみてはいかがでしょうか。
ご予約はこちら→https://seiryutei.net/
清流亭の基本情報・アクセス・マップ
名称 | 清流亭 |
---|---|
住所 | 福井県勝山市遅羽町ほう崎28字湯向3番地1 |
交通アクセス | えちぜん鉄道勝山駅から車で5分 中部縦貫自動車道 勝山ICから車で10分 中部縦貫自動車道 大野ICから車で5分 |
駐車場 | あり(5台以上可能) |
wi-fi/コンセント | あり/あり |
SNS | instagram ー Twitter ー Facebook https://www.facebook.com/清流亭-102228087810695/ |
WEBサイト | https://seiryutei.net/ |