【豪華バイキングあり】かじかの里山殿下で郷土料理体験!殿下の忙しい朝の味方「呉汁」とは?【福井市】

【豪華バイキングあり】かじかの里山殿下で郷土料理体験!殿下の忙しい朝の味方「呉汁」とは?【福井市】

越前加賀海岸国定公園に属し、越知山(おちさん)などがある緑豊かな福井市殿下地区。
人口は450人ほどと過疎化も問題となっていますが、そんな殿下地区で唯一とも言える飲食店で、殿下の郷土料理を食べて作って楽しむことができるとのこと。
市内の人でもなかなか行く機会のない殿下の郷土料理とは一体どのようなものなのでしょうか。
実際に行ってきました。

福井の市街地を抜けると、どんどんと景色が移り変わり……

福井殿下かじかの里山葉ずし呉汁の画像

車で30分ほど走ると、殿下地区に到着しました。
緑豊かなこの殿下には、和歌で読まれるほど美しい声で「フィフィフィ」と鳴く「かじかがえる」というカエルが住んでいます。

このカエルは、流れがゆるやかな川岸や川沿いの小さな水たまりに生息するため、川がコンクリートで固められるなど、自然が少なくなると姿を消してしまうこともあります。
殿下にはまだ、かじかがえるが住めるほど、多くの自然が残っているということですね。

今回足を運んだのは、そんな「かじか」の名前がついた「かじかの里山殿下」。

福井殿下かじかの里山葉ずし呉汁の画像

もともとおそば屋さんだったお店が、2013年に農家レストランとして再オープンしたかじかの里山殿下。
地元の食材を使った郷土料理を伝えるため、地域のお母さん方が日々腕をふるっています。

地元の食材をふんだんに使った郷土料理バイキングは平日でも大盛況。
お昼前に伺うと、すでにお母さんたちがランチに向けて調理を開始していました。
その中には、地域おこし協力隊として殿下を盛り上げる高橋要さんの姿も。

福井殿下かじかの里山葉ずし呉汁の画像

地域のお母さんがたと、地域おこし協力隊の高橋要さん(中央)

殿下地区の郷土料理作り体験

殿下の郷土料理にふれるために、中国やシンガポールからわざわざこの地に来る旅行客もいるそうです。
私もかじかの里山殿下で行われている、殿下地区の郷土料理づくり体験に挑戦してみました!

葉ずし

まずは殿下に伝わる「葉ずし」作りに挑戦!
葉ずしというのだから、葉っぱで巻いたお寿司のことだろうなあと考えていると、高橋さんから、「外に行きましょう!」との声が……。

お寿司を作りにお外?
一体何をしに行くのでしょうか。

緑いっぱいの殿下地区は、空気も美味しく感じられます。
青空のもと、かじかの里山殿下から数百メートル歩くと、何の変哲も無い道端で高橋さんが立ち止まりました。

福井殿下かじかの里山葉ずし呉汁の画像

何の変哲も無い森のような山のようば場所ですが、高橋さんは一直線にある木を目指して歩いていきます。
そして、おもむろに葉っぱをぶちっ。

福井殿下かじかの里山葉ずし呉汁の画像

この葉っぱは、アブラギリの葉っぱ。
今回作る葉ずしには、このアブラギリの葉を使うんです。
こんな道端で葉ずしの材料をゲットしちゃいました。

「なぜアブラギリを使うんですか?」と聞くと、「殿下小学校のある小学生(当時)の自由研究で、お寿司を色々な葉っぱで巻いて試したところ、アブラギリの葉っぱを使ったお寿司が一番日持ちしたそうです。その理由はわからないみたいだけど」と高橋さん。
殿下の葉ずしにアブラギリを使うのは、1日でも長く日持ちをさせるための、昔の人の知恵なんでしょうか。

さて、葉っぱを手にかじかの里山殿下に戻ると、いよいよ葉ずし作りが始まります。
使うのは、取ってきたアブラギリと酢飯、ひじきの煮物、煮豆、ごま。

福井殿下かじかの里山葉ずし呉汁の画像

お寿司にひじき……はちらし寿司っぽい気がしなくもないですが、煮豆が入るのにはちょっとびっくり。
まずは教えてもらった通り、酢飯にごま、ひじき、煮豆を入れてまぜまぜ。

福井殿下かじかの里山葉ずし呉汁の画像

すでに美味しそうな見た目になっていませんか?
煮豆が入っているお寿司の味が楽しみでなりません。福井殿下かじかの里山葉ずし呉汁の画像

生まれも育ちも殿下の城崎さんに、混ぜ方も丁寧に教えていただきました。

ご飯の準備ができたらアブラギリの葉にのせて形を整え……

福井殿下かじかの里山葉ずし呉汁の画像

ぱたっとたたんだら、葉ずしの完成!

福井殿下かじかの里山葉ずし呉汁の画像

簡単なので、親子で一緒に作っても楽しいかも。
少し時間を置くと、アブラギリの香りがお寿司に移ってより美味しくなるそうです。

 

呉汁

続いては呉汁作り。
呉というのは大豆を水に浸してすり潰したもののことで、これを味噌汁にしたものが呉汁です。

入れる具材は人参、大根、豆腐など地域毎に様々で、福井以外でも冬場の郷土料理として各地で食べられています。
しかし、殿下では、大豆を水に浸してすり潰すのではなく、大豆を乾燥させて粉末にしたものを使うことが多いそうです。

福井市では、殿下以外に一乗谷地区でも呉汁が郷土料理として定着しています。
殿下との違いを聞くと、「一乗谷では今でも豆をすりつぶしてペースト状にするところから作っているから、ちょっとめんどくさいわね」と笑う城崎さん。
「殿下ではどこの家にも呉汁用の大豆の粉があって、忙しいときや寝坊した時に作ることが多いのよ」とも教えてくれました。

今は消えつつある郷土料理かと思っていましたが、今でも殿下の生活に深く根付いていると聞き、驚きました。

福井殿下かじかの里山葉ずし呉汁の画像これが、各家庭にある大豆粉末

まずは大豆の粉に水を入れて混ぜます。
城崎さんの「とっても簡単!」という言葉通り、大豆をすりつぶしてペースト状にしたものと同じものがあっという間にできました。
ちなみに、使っている水は殿下で汲まれた湧き水です。

福井殿下かじかの里山葉ずし呉汁の画像

福井県は水が綺麗な土地で、飲める湧き水がまちなかで汲めることも多い

その間に、お鍋ではだしをとり、お味噌を溶かしてお味噌汁を作っておきます。
そこに先ほど作ったペーストを入れて……

福井殿下かじかの里山葉ずし呉汁の画像

「混ぜるとぼそぼそになるから、一気に入れて、蓋をして完成!」と城崎さん。

あれ、具は…?と思ったら、殿下の呉汁は具なしが普通とのこと。
寝坊した時に作るというお話にも納得です。

それにしても、お味噌汁に大豆って、大豆感が増しただけのお味噌汁なんじゃ……と思ったのですが、数分後に蓋をあけるとびっくり!

福井殿下かじかの里山葉ずし呉汁の画像大豆ペーストを入れた直後。すでに固まり始めています。

福井殿下かじかの里山葉ずし呉汁の画像

数分後…

すくってみると、まるで柔らかいお豆腐みたいになっています。
入れるときに時間がかかってしまったので、これでも少しボソボソしているようです。

「唐辛子をかけると美味しいよ!」と教えてもらい、唐辛子有りと無しの両方を食べ比べてみました。

福井殿下かじかの里山葉ずし呉汁の画像

唐辛子なしの方は、不思議な食感のあっさりしたお味噌汁という感じ。
そして、唐辛子ありの方は、一気に大豆の香りが高くなって、美味しさが増しました。
この変化には全員びっくり!
福井殿下かじかの里山葉ずし呉汁の画像

殿下地区に根付く郷土料理、葉ずしと呉汁作り。
簡単なのに奥が深くてとても楽しかったです。
言葉の壁がある海外からのお客さんでもチャレンジしやすそう!

特に呉汁は、出来上がりが全く想像できなかった分、出来上がった時の驚きと感動が大きかったです。

また、呉汁を作るために、大豆の粉末が各家庭に常備されているというのには驚きましたが、調べてみると、もっと簡単そうなものを発見!

お湯を入れるだけで呉汁ができちゃうインスタント食品。
呉汁がいかに殿下の生活に根付いているかよくわかりますよね。

最初に紹介した通り、体験に来るのは海外のお客さんや、40代以降の日本人のお客さんが多いとのことですが、「若い人にも殿下の郷土料理をもっと知ってもらいたい。」と城崎さん。

定番の旅行プランに飽きた方は、地元のお母さんとおしゃべりしながら郷土料理を作る体験にチャレンジしてみては?

殿下の郷土料理バイキング

福井殿下かじかの里山葉ずし呉汁の画像

体験が終わった頃にお店をのぞいてみると、そこには地元の食材を使った、殿下ならではの料理がずらり。
いつのまにか多くのお客さんで賑わっていました。

葉ずしと呉汁の試食でお腹もそろそろ限界でしたが、美味しそうな郷土料理を見ていたらそんなことは一定られません!福井殿下かじかの里山葉ずし呉汁の画像赤いものが「すこ」、その下が「にしんの昆布巻き」

この中で、福井でよく見かける郷土料理といえば、「すこ」。
福井県では、特に大野市が里芋の産地として有名で、里芋を使った郷土料理もよく見かけるのですが、すこも里芋を使った定番料理。

一見里芋には見えませんが、その正体は、里芋の一種「八頭(やつがしら)」。
すこは、八頭の茎を酢漬けにしたもので、かつての福井では秋冬の保存食として各家庭で作られていました。
甘酸っぱさと、シャキシャキとした食感がくせになりそう!
現在でも福井の人々の食卓の定番として受け継がれており、給食にも出されることもあります。
ちなみにこの特徴的な色は、酢を入れると自然に出る色で、着色料は一切使っていません。

さらに、かじかの里山殿下の一番人気メニュー「にしんの昆布巻き」にも注目!
敦賀市、三国など、福井県内には、かつて北前船の寄港地として栄えた土地があります。
北前船では昆布やにしんなども運ばれており、砂糖、醤油などで煮たにしんの昆布巻きは、特に敦賀周辺で郷土料理として親しまれています。
また、高価な昆布はごちそうであり、お盆やお正月に食べる習慣もあります。
特に輪切りの昆布巻きは、福井のお正月料理の定番!

報恩講と郷土料理

今回紹介した「すこ」や「呉汁」は、報恩講(ほうおんこう)料理の定番でもあります。
報恩講とは、浄土真宗の宗祖である親鸞の命日に行われる仏事のことで、そのときにふるまわれる精進料理を報恩講料理と言います。

浄土真宗が深く根付く福井では、今でも報恩講が行われているところが多く、報恩講料理も人々の生活と密接に関わりがあるようです。

郷土料理作り体験や郷土料理バイキングで殿下の風土を感じることができる「かじかの里山殿下」。
定番グルメや温泉を楽しむだけの旅行には飽きたというツウな皆さん、ぜひ足を運んでみて下さい。

店名 かじかの里山殿下
住所 福井県福井市畠中町28-24-1
電話番号 0776-97-2622
営業時間 11:00〜14:00
(そば店は11:00〜17:00)
定休日 月曜日(祝日の場合営業・火曜日休業)
アクセス(バス) 京福バス(78)茱崎線 越前岬水仙ランド入口行などで「風尾」バス停降車。
所要時間 45分程度
体験申し込み 予約は一週間前まで。詳細は以下URLをご覧ください。http://kajikanosatoyamadenga.sitemix.jp/event/
WEBサイト http://kajikanosatoyamadenga.sitemix.jp

記事の内容は取材時点でのものです。
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