御食国若狭おばま食文化館で地元のお母さんと郷土料理作り体験【小浜市】

御食国若狭おばま食文化館で地元のお母さんと郷土料理作り体験【小浜市】
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日本の食文化を語る上で重要な地・小浜市にある『御食国若狭おばま食文化館』。
食文化や伝統工芸品など、若狭おばまの食と歴史に触れられるさまざまなブースがありますが、今回はその中の、小浜市の郷土料理体験を詳しくレポートします!

御食国若狭おばま食文化館とは?

福井小浜御食国若狭おばま食文化館体験の画像

福井県南部の若狭おばまは、かつては天皇が召し上がる食事を納める国「御食国(みけつくに)」であり、この地で獲れた魚は「若狭もん」として、京都で珍重されていました。

若狭おばまと京都を結ぶ道は、特によく獲れる鯖を運んでいたため「鯖街道」と呼ばれ、その起点となる現在の小浜市は、文化庁が選定する日本遺産の1つ「海と都をつなぐ若狭の往来 文化遺産群〜御食国若狭と鯖街道〜」に認定されています。

そんな、日本の食文化を語る上で重要な地である小浜市にある『御食国若狭おばま食文化館』。
食文化や伝統工芸品など、若狭おばまの食と歴史に触れられるさまざまなブースがあります。

今回はその中の、小浜市の郷土料理体験を詳しくレポートします!

福井小浜御食国若狭おばま食文化館体験の画像

きれいなキッチンスタジオ完備

学生さんや外国人観光客が、若狭や小浜の郷土料理づくりを体験しにやってくることも多いそうです。
一体どんな体験ができるのでしょうか。

御食国若狭おばま食文化館の詳細はこちら>>日本の食文化が丸わかり!御食国若狭おばま食文化館ってどんなところ?

おめでたい日の定番!『のっぺい』

体験メニューの一つ目は『のっぺい』。

『のっぺい汁』という料理名は聞いたことがある方も多いと思います。

のっぺい汁(のっぺいやのっぺい煮など、呼び名はさまざま)は全国各地で食べられていて、「サトイモやニンジンなどを煮て片栗粉でとろみをつけたもの」というのが大まかな定義となっています。

元々はお寺の宿坊で、残り物の野菜と葛で作られていたものという説がありますが、詳細は分かっていません。

今回は、小浜市の中でも、中名田地区に伝わるのっぺいを教えていただきました。

使う具材は、シイタケやサトイモ、かまぼこ、ちくわ、銀杏など。

福井小浜御食国若狭おばま食文化館体験の画像

手前にあるのはゆりね。
かんぴょうや花麩(右奥)など、家庭料理ではなかなか使わない食材もちらほら。
というのも、こののっぺいは、結婚式などのおめでたい日に出される料理なんです。

指導してくれるのは、幅広い世代に郷土料理を伝えるため、食文化館で活動する市民グループ『グループマーメイド』の西尾さん。

福井小浜御食国若狭おばま食文化館体験の画像

のっぺいの完成イメージが全くできていない状態ですが、早速下準備に入ります。

食材は全て同じくらいの大きさに切り、細長いかんぴょうは、結んで切る、を繰り返します。

初体験!
楽しい!

福井小浜御食国若狭おばま食文化館体験の画像

結んだかんぴょうを使うところも、おめでたい日に出される料理らしいですよね。

そもそもかんぴょうって何?と思い、後で調べたところ、『ふくべ』というウリ科ユウガオの実なんだそうです。

下準備が整ったら、だしをとり、切った具材を入れて味を整え、片栗粉でとろみをつけて完成!

福井小浜御食国若狭おばま食文化館体験の画像

福井小浜御食国若狭おばま食文化館体験の画像

のっぺい=のっぺい汁というイメージだったので、汁物なのかと思っていましたが、意外にも汁気が少ないお料理でした。

焼いた鯖を汁物に!?『浜焼き鯖汁』

若狭おばまでは鯖が豊富に獲れ、鯖街道を通って京都に運ばれていた歴史があるというのは最初に紹介した通り。
そのため、若狭おばまはもちろん、福井県全域で、今でも鯖を食べる習慣が強く根付いています。

鯖のへしこや鯖寿司、浜焼き鯖など、鯖の加工品や調理法はさまざまありますが、今回作るのは、浜焼き鯖(水揚げした鯖を開いて焼いたもの)を汁物にした「浜焼き鯖汁」。
小浜市宮川地区に伝わる郷土料理です。

使う具材の中には、すでに食べられる状態になっている浜焼き鯖が鎮座!

福井小浜御食国若狭おばま食文化館体験の画像これをさらに汁物に加工していくとは、贅沢というか手間がかかっているというか…。
出来上がりが楽しみです!

この浜焼き鯖汁は、鯖の頭や骨でだしを取るのが特徴。
まずはお鍋の中に豪快に鯖の頭を投入します。

福井小浜御食国若狭おばま食文化館体験の画像

浜焼き鯖は大きめにほぐし、

福井小浜御食国若狭おばま食文化館体験の画像

その他の具材は同じくらいの大きさに切っていきます。

福井小浜御食国若狭おばま食文化館体験の画像

西尾さんとも徐々に打ち解けてきました!

千切りやみじん切りは馴染みがありますが、半月切り、短冊切り、いちょう切りなどの切り方も体験中にたくさん出てきました。
調べてみると、霰切り(あられぎり)、菊花切り(きっかぎり)、鶏冠切り(とさかぎり)など、和食に用いられる食材の切り方はさまざま。

さすがはユネスコ無形文化遺産にも登録された和食!
味やヘルシーさはもちろんですが、食材の切り方、盛り付け方など、見た目の美しさも和食の魅力なんですね。

さて、具材の準備ができたら、浜焼き鯖の頭でとった出汁に投入します。
そして、浜焼き鯖の身を入れて味を整えたら完成!

福井小浜御食国若狭おばま食文化館体験の画像

実食!!

食文化館では、のっぺいと浜焼き鯖汁以外にも、鯖の押しずし、手まりずし、くずまんじゅうなど、さまざまな調理体験ができます。
今回の試食には、その中の鯖の醤油干、でっちようかんもつけていただき、さらに黒豆ご飯までついてこんなに豪華に!

福井小浜御食国若狭おばま食文化館体験の画像

のっぺいは本当に優しいお味。
とろみ具合も程よくて、癖になっちゃう美味しさでした。

浜焼き鯖汁は、鯖の臭みが全くなく、汁物に焼き鯖の組み合わせの美味しさに驚きました。

関東出身の私は、鯖といえば味噌煮だと思っていたのですが、福井では焼き鯖を食べることが多いです。
福井出身の方に聞いてみても、味噌煮はほとんど食べたことがないという意見が多い!
同じ魚でも、地域によって食べ方に違いがあるんですね。

個人的には味噌煮よりも焼き鯖の方がジューシーで美味しい!と思っています。

小浜ならではの珍しい加工方法『鯖の醤油干し』

そして、初めて食べた醤油干しもとっても美味しかったです!
醤油干しは小浜独特の加工方法で、その中でも特に鯖の醤油干しはとってもポピュラーなもの。
塩漬けや塩干し、みりん干し(みりんなどの調味液に漬けた魚を干したもの)はよくありますが、醤油干しは全国的にも珍しいものです。
小浜から京都に魚を運ぶ際に、時間が経つと色が白っぽくなってしまう魚もあるため、醤油で色をつけたという説があるそうです。

福井といえば水ようかん!

そして、なぜデザートにようかん?でっちようかんって一体何?と思った方もいるはず。

実は水ようかんは、福井の冬の定番の和菓子!
福井では、冬になると大人も子供もみーんなこたつで水ようかんを食べるんです。

なぜ冬に食べるかというと、ふるさとの若狭を離れて丁稚奉公する子どもに、若狭のお土産としてようかんを持たせたという説があり、『でっちようかん』という名前で呼んでいる地域もあります。

福井の水ようかんの詳細はこちら>>福井では水ようかんは冬の食べ物!?こたつで一枚流しをすくって食べる⁉︎その形・食べ方・歴史とは

郷土料理作り体験以外にも、日本の食文化や小浜の歴史を知る展示ブース、若狭の伝統工芸品を買う、体験できるスペース、さらにはお食事処と温浴施設まである、御食国若狭おばま食文化館。
食文化の歴史、福井の風土に興味のある方は、1日楽しめる施設です!

御食国若狭おばま食文化館の基本情報・アクセス・マップ

名称 御食国若狭おばま食文化館
住所 福井県小浜市川崎3-4
電話番号 0770-53-1000
営業時間 以下URLでご確認ください
http://www1.city.obama.fukui.jp/obm/mermaid/modules/content2/index.php#02/
定休日 水曜日(祝日の場合は開館)
年末年始(12/28~1/5)
アクセス 舞鶴若狭自動車道 小浜ICより車で10分
JR小浜駅より車で5分
駐車場 200台/無料
wi-fi/コンセント あり/ー
SNS instagram @syokumachi
Twitter ー
Facebook @syokubunkakan
WEBサイト http://www1.city.obama.fukui.jp/obm/mermaid/

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