音楽を聞いて育つ味噌!?国産オーガニックにこだわるマルカワ味噌の秘密とは?【蔵見学・体験あり】
日本の朝食に欠かせないお味噌汁。
赤味噌、白味噌、合わせ味噌と種類もさまざまで、こだわりがある方も多いと思いますが、今回紹介する、福井県越前市にある『マルカワみそ』さんの味噌へのこだわりにはかなりすごい!
使う原料や熟成の方法はもちろん、熟成の際にある””驚くべきこと””をしているとの噂が!
一体何が行われているのか、実際に足を運んで見てきました。
「国産オーガニック」がこだわり!マルカワみそ
北陸自動車道 武生ICを降りて少し車を走らせると、大通りの右手に立派な建物が見えてきます。
こちらがマルカワみそさん。
店内には、さまざまな種類のお味噌がずらり。
「自然栽培」や「有機」とついた味噌が多いです。
マルカワみその味噌へのこだわりの一つ目は、国産オーガニックの原料を使うこと。
2001年には、北陸の味噌業界で初めて有機JAS認定を受けました。
農薬や化学肥料などを使わず、自然なもののみで生産された食品であると農林水産省に認められているのです。
麦味噌や甘酒も!
また、麦みそも並んでいますが、麦味噌は九州や瀬戸内海側でよく使われているものです。
福井で作られていること自体が大変珍しく、マルカワみそは、麦味噌を作っている最北端のメーカーなんだそうです。
店頭では味噌だけでなく、調味料や甘酒も販売されています。
オーガニック食材も多数置いてあるので、オーガニック好きは見るだけで楽しくなっちゃうこと間違いなし!
蔵見学でマルカワみそのこだわりを紐解く
マルカワみそのこだわりはまだまだたくさん!
この後は、味噌づくりの裏側を見に蔵見学へ。
今回は河崎社長直々のご案内で、味噌づくりへのこだわりを教えていただきました。
※蔵見学は完全予約制です。詳細はこちら>>https://marukawamiso.com/news/visit.html
天然麹菌ならではの味
蒸した大豆をすり潰したもの、天然菌を使った麹、塩を機械で混ぜ合わせている様子
味噌づくりに欠かせない材料といえば、大豆と麹。
麹が大豆を発酵、熟成させることで味噌ができます。
かつては天然麹菌による味噌づくりが当たり前でしたが、現在は、培養された人工的な麹菌による味噌づくりが主流です。
しかしマルカワみそでは、2001年、約半世紀ぶりに天然麹菌の自家採取に成功。
天然麹菌による味噌づくりを復活させました。
これによって、他とは違うマルカワみそならではの味を作り出しているんだとか。
蛍が集まる地下水を使用
「うちの裏を流れている川には、夏になると蛍がたくさん集まるんだよ。
でも、ちょっと先に行くと蛍はいないんだ。
なんでかはわからないんだけどね」
と河崎さん。
マルカワみその周辺だけ水が特にきれいなんでしょうか。
その真相はわかりませんが、雪解け水がこの場所にたどり着くまでに自然と濾過されて、美しい地下水となっていることは間違いありません。
マルカワみそでは、この地下水を組み上げて味噌づくりに使用しています。
木桶で熟成
そんなお話を聞きながらたどり着いたのは、店舗から少し離れた工場の入り口。
何やら古びた丸い板が置いてあります。
これは、かつてマルカワみそで使われていた木桶の底板です。
昔は、
赤ちゃんが生まれれば木桶で産湯に入れ、
日常生活ではおひつ、寿司桶、手桶、湯桶を使い、
亡くなった後には木の棺桶に入る
そうやって、人々の生活、人生は木桶とともにありました。
味噌づくりはもちろん、酒や醤油の熟成も木桶で行われていましたが、現在の味噌づくりは、ステンレスタンクでの熟成が主流になっています。
そんな中マルカワみそでは、これからも木桶による味噌づくりを大切にしていこうと、2007年に新しい木桶をあつらえました。
創業100年を超えるマルカワみそには、130年以上使っている木桶も置いてあるとのこと。
新しい木桶も、これから100年以上マルカワみそで活躍していくのでしょう。
蔵のそこかしこに置かれた現役の木桶
「木桶は呼吸ができるからね。
それに、ステンレスタンクだと、洗うと全部きれいになっちゃうけど、木なら微生物が残っていたりもする。
これが絶妙な味加減を生み出すこともあるんです」と河崎さん。
樽で熟成させることで、独特の琥珀色に変化するウイスキーと同じように、熟成させる入れ物が味噌に大きな変化をもたらすようです。
音楽を聴かせて熟成させる
ある部屋に足を踏み入れると、目の前に現れたのは無機質なシルバーの入れ物。
中には味噌が入っているようですが、他の味噌とは明らかに保存の仕方が違います。
正面には「ヴィバァルディ」と書かれた貼り紙が。
まさか!!
そう、そのまさかなんです。
名前の通り、この味噌は、熟成の際にヴィヴァルディのクラシックを聞かせているんです。
トランスデューサーという機械で、音を振動に変えています。
お酒などの水分の多いものだと、音楽を聴かせるだけで糖分の発生率が変わったり、一次発酵にかかる時間が1日も違ったりすることがあるそうです。
味噌の場合は水分が多くないため、味に大きな変化があるわけではないそうですが、河崎さんは、熟成の際に音楽を聴かせることに大きな価値を感じているようです。
「高速道路の騒音や排気ガスのひどい、空気も音も悪いところで熟成された食べ物って、どうなんだろうと思うんです。逆に、美しい音楽の中で熟成させたらどうなるの?と思ったのがきっかけでヴィバルディができました。それに、カタカナの名前のお味噌って見たことがないってみなさん言うんですよ」
と笑顔の河崎さん。
確かに、いい環境で育った味噌は、体にもいい感じがしますよね。
最後は包装
最後に、包装をしている部屋にもお邪魔しました。
手作業も多いパッケージ作業の風景
お味噌に貼るシールの中には、英語表記のものも!
マルカワみそで日本の伝統食作り体験
海外にも味噌を輸出しているマルカワみそでは、外国人向けに日本の伝統食づくり体験も実施しています。
今回は特別にそちらも体験させていただきました!
(体験は外国人観光客が対象となりますのでご注意ください。)
次のページでご紹介しています。