古墳巡りで歴史に触れよう!鯖江市にある古墳4選
福井県内では約4000基の古墳が発見されており、鯖江市内にはその5分の1にあたる800基ほどが存在しています。
なかなか近くで目にすることのない古墳を、ハイキングがてら見に行きませんか?
鯖江市内にある古墳①王山古墳群
鯖江市の文化財であり、国の史跡にも登録されている王山古墳群は、標高62mの王山という山にある古墳群です。
弥生時代(3世紀)から古墳時代(5世紀)に作られた49基の古墳があります。
また、この下には親鸞がこの地で初めて教えを説いた念仏道場『車の道場』と呼ばれている上野別堂があります。
車の道場とは、親鸞が流罪で越後へ送られる際の輿車に由来している呼び名で、鯖江市内にある浄土真宗派本山 誠照寺の始まりの場所です。
ここから上に登っていくと、山というよりも森のような場所にたどり着きます。
古墳周辺は、20分ほどで歩いてまわれるように道が整備されています。
王山古墳群には、地面が盛り上がっているだけで一見古墳とはわからないもの、見るからに古墳らしきものと、さまざまな古墳があります。
これは方形周溝墓という古墳で、四角い形に周りに溝があるのが特徴。
古墳というと前方後円墳のイメージが強いですが、前方後円墳は、4〜5世紀にかけて大和地方から各地に広がったもので、王山古墳群にあるのは方形周溝墓と円墳のみ。
円墳はヤマト王権の支配下に入った段階のムラの指導者や王たちの墓だそうです。
そして、王山古墳の中でも最も大きくて古いものが『王山40号古墳』。
階段があるので登ることも可能です。
約2000年前につくられた王山40号古墳。
大きさは23.5×21m、高さ3mと、県内の弥生時代墳墓の中でも最大級で、地域を治めた首長(王)の墓の可能性が高いそうです。
王山古墳群の古墳からは、東海地方、近江地方の影響を受けたと思われる土器や壺、かめ、鉄剣、勾玉など、さまざまな副葬品も出土しています。
所々にベンチがあったり、綺麗に整備されている場所なので、お散歩がてら行ってみるのもおすすめですよ!
鯖江市内にある古墳②長泉寺山古墳群
道の駅がある西山公園にも古墳がたくさんあるんです。
それが、長泉寺山古墳群。
『西山』と呼んでいるものの、この場所は『長泉寺山』という名前の山で、80基もの墳墓や古墳があり、東端の一群を西山支群と呼んでいます。
長泉寺山古墳
こちらは鯖江市の指定文化財『長泉寺山古墳』。
長泉寺山古墳群の中で唯一の明確な前方後円墳で、最大規模を誇ります。
未発掘のため埋葬施設や副葬品等の詳細は不明ですが、丹南地域で最古の前方後円墳の可能性が高い貴重な遺跡なんです!
鯖江市役所の奥から行くことができますよ。
西山一号墓
西山支軍の一番北側にあるのがこの西山一号墳。
1800年も前につくられた方墳です。
鯖江市内にある古墳③兜山古墳
兜山古墳は国指定の文化財であり、円墳としては北陸地方最大級というとても大きな古墳です。
5世紀代に造られたと推定されている二段築成の大型円墳で、八幡神社の社殿が古墳の頂上に建っており、古墳全体が神社となっています。
もともとは南北にもう1基ずつ古墳があり、兜を伏せたような形に見えたことから『兜山』の名がついたと言われています。
兜山古墳の南側の神明社境内地には9基の古墳からなる烏ケ森古墳群もあり、この一帯は数十基からなる一大古墳群であったことも推定されています。
鯖江市内にある古墳④今北山古墳群・磯部古墳群・弁財天古墳群
出典:鯖江市公式サイト
標高約120mの弁財天山から北西に伸びる尾根沿いと、その支尾根に沿って分布する古墳群で、市の史跡の指定を受けています。
- 弁財天山古墳群:36基の古墳が尾根の南東部に位置
- 磯部古墳群:4基の円墳が磯部町西側の支尾根に位置
- 今北山古墳群:23基の古墳があり、3つの古墳群の中でも比較的大きい円墳が分布。丹南地域で最大の前方後円墳、今北山古墳を含む
前方後円墳、方墳、円墳と色々な形の古墳があり、これらが一つの尾根上にある古墳群は県内でも珍しいんだとか。
また、弁財天古墳群には、福井県では初めて発見された3世紀半ばから4世紀の弥生集落跡の遺跡もあり、これは北陸3県でも最古級の環濠集落遺跡と判明しています。
北陸最大級の古墳、最古級の集落遺跡など、鯖江市には貴重な古墳がたくさんあるんですね。
古墳めぐり、おすすめです!
福井市の古墳に関する書籍もあります。
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