有名パティスリーのシェフに教わる!フルーツ×伝統工芸ワークショップ【越前市・鯖江市】

有名パティスリーのシェフに教わる!フルーツ×伝統工芸ワークショップ【越前市・鯖江市】

ワークショップで登場した伝統工芸品をご紹介!

越前打刃物

まずは、越前市の伝統工芸品『越前打刃物』。

伝統工芸フルーツサンドーム福井ものづくりキャンパス越前打刃物

パンやフルーツのカットに使用した包丁は全て越前打刃物でした。

「越前打刃物」は、1337年(南北朝時代)京都の刀匠、千代鶴国安が刀剣製作に適した地を求め、府中(今の越前市)に来住し、そのかたわら近郷の農民のために鎌を作ったことから始まったといわれています。

出典:福井県観光写真素材集|ふくいドットコム

昭和54年、刃物としては全国で初めて伝統的工芸品の指定を受けた越前打刃物。
二枚広げや廻し鋼着けといった独自の技法を確立しており、特に廻し鋼着けは、一般的な技法に比べて高い技術が必要、かつ質の高い製品ができると言われています。

今回のMONOCANワークショップで使用したのは、『龍泉刃物』というメーカーの包丁。

パンを切る、
フルーツを切る、
完成したフルーツサンドをナイフとフォークでいただく…。

いろいろな場面で使いましたが、本当に切れ味が良くてびっくり!
「切れ味がいいから、使っているだけで料理ができる気分になるね」と、他の参加者とも盛り上がりました。

パン切り包丁でカットしたフルーツサンドの断面はこんなにきれいに!

伝統工芸フルーツサンドーム福井ものづくりキャンパス

コツは、下に押して切るのではなく、引いて押しての繰り返しで、ノコギリのようにカットするだけ。

龍泉刃物はグッドデザイン賞を受賞したり、料理界のオリンピックとも言われる「ボキューズドール」で日本代表シェフがステーキナイフに採用したことで世界から注目を集めたりと、伝統工芸品ながら、時代に合ったデザインや使われ方をしている話題のメーカーです。

伝統工芸フルーツサンドーム福井ものづくりキャンパス越前打刃物

株式会社龍泉刃物 増谷浩司社長

「切れなくなればメンテナンスができるので、長く使い続けられます」
「親から子供へ引き継いで、ずっと使ってもらえれば」と増谷社長。

「刃を一つ一つ鍛造している」とも話していましたが、そのせいなのか包丁1本1本が輝くように美しく、もはや芸術品!という感じがしました。

私の自宅には牛刀、ペティナイフ、パン切り包丁しかありませんが、「パン、魚、肉…それぞれ使い分けをしていただきたい」とお話があったので、食材ごとに包丁を使い分けてみようと思いました。まずは越前打刃物デビューをしたいと思います!

越前打刃物の詳細はこちら>>刃物産地で全国初の伝統工芸品『越前打刃物』とは?歴史・特徴・製造工程をお伺いしました

越前箪笥(まな板)

続いては、平成25年に伝統工芸品に指定された『越前箪笥』。
越前箪笥の技法は江戸時代後期から伝わっており、ケヤキやキリなどの無垢材を独自の指物技術(釘などを使わないで組み立てる)で加工し、鉄製金具や漆塗りで装飾します。

今回は、越前箪笥の職人さんが手がけるまな板が登場しました。

伝統工芸フルーツサンドーム福井ものづくりキャンパス越前箪笥まな板

箪笥職人のセレクトショップ&アトリエ『kicoru』では、木へのこだわりや越前箪笥で培った技術を活かして、さまざまなプロダクトの提案をしています。

伝統工芸フルーツサンドーム福井ものづくりキャンパス越前箪笥まな板

越前箪笥「匠」工房 小柳箪笥 四代目 小柳範和氏

kicoruのまな板は檜葉(ヒバ)という木からできていて、水や虫に強い、刃当たりがいいといった特徴があります。
木製のまな板はどうしてもカビやすいデメリットがありますが、側面を斜めにカットしているので水はけがよく、立てかけた時にも全面がつきにくいようにカーブしています。
デザイン性だけでなく、使い心地や衛生面にもしっかり配慮されており、主婦層の多い参加者たちも興味津々でした。

越前箪笥の詳細はこちら>>伝統工芸品『越前箪笥』とは?歴史や特徴を職人さんに聞きました

越前焼

伝統工芸フルーツサンドーム福井ものづくりキャンパス

かわいらしいフルーツサンドに秋らしさ、大人のおしゃれ感をプラスしてくれた、優しい質感のお皿。
全体の雰囲気をぐっと引き締めてくれたこのお皿こそが、『越前焼』なんです。

焼き物というと湯飲みやお茶碗として使うなど、和風なイメージがありますが、最近は洋風と合わせるのも流行っていますよね。
シンプルな越前焼のお皿は、カラフルなフルーツサンドとの相性も抜群でした。

また、テーブルコーディネートにも越前焼が!
今回の素敵なテーブルコーディネートをしてくれたのは、鯖江市のテーブル&フラワーコーディネートショップ『FLOWER LIBERTY』の上木さん母子。
お二人とも数々のコンクールで入賞歴のある実力の持ち主。

テーブルコーディネートやフラワーアレンジメントの教室も開催しているそうなので、お近くの方は参加してみては?

伝統工芸フルーツサンドーム福井ものづくりキャンパス

肝心の越前焼ですが、テーブルの上では花器として使われていました。
洋風な雰囲気にも違和感なく溶け込んでいて、とっても素敵ですよね!

伝統工芸フルーツサンドーム福井ものづくりキャンパス越前焼

越前焼は越前町を中心に古くから作られてきた焼き物で、有名な信楽焼や備前焼と並んで「日本六古窯(こよう)」に数えられています。

昭和61年に伝統工芸品の指定を受け、今でこそその価値は高く評価されていますが、以前はあまりにも生活に根付き過ぎていたため、工芸品や美術品として見られることはあまりありませんでした。

それが、紆余曲折を経て現在の地位を確立するに至ったのですが、よく考えてみれば、越前打刃物も越前箪笥も越前焼も、どれも昔から人々の生活の中に根付いていたもの。
『伝統工芸品』というと、高級、手に取りづらい、なんてイメージもありますが、もっと身近に置いて、気軽に使うべきものなのかもしれませんね。

越前焼の詳細はこちら>>『越前焼』とは?特徴・歴史&工芸品ではなかった驚愕の過去!?

越前和紙

伝統工芸フルーツサンドーム福井ものづくりキャンパス越前和紙

1500年も前に現在の越前市に伝わり、昭和51年に伝統工芸品に指定された『越前和紙』は、まあるい輪っかの中にリンゴやブドウがあしらわれたオブジェと、ブドウがデザインされたランチョンマットに使われていました。

越前和紙を伝えたのは女神だという伝説が残っており、現在では川上御前として、全国で唯一紙の神様を祀る神社(岡太神社)があるほど。

室町時代から江戸時代にかけては公家や武士階級の公用紙として使われ、越前奉書は江戸幕府の御用紙として使われました。

さらに、日本最初の藩札とされる『福井藩札』も、明治維新後初めてのお札『太政官札』も越前和紙。
お札の透かし技法を開発したのも越前和紙。
証券や卒業証書など、証書に正式の用紙として使われるのも越前和紙!!
こちらも単なる工芸品ではなく、昔から人々の生活において重要な役割を担う紙だったんです。

越前和紙の詳細はこちら>>越前和紙とは?その歴史と格式の高さは日本一!?

越前漆器

福井越前漆器伝統工芸品

福井県で初めて伝統工芸品に指定された、鯖江市の『越前漆器』。
特に河和田という地域で盛んに作られており、現在でも河和田には数多くの漆器メーカーが点在しています。

そんな河和田で作られる越前漆器。
漆器といえば、黒や赤のお椀をイメージしがちですが、今回のテーブルコーディネートには木のぬくもりがそのまま感じられる越前漆器が使われていました。

伝統工芸フルーツサンドーム福井ものづくりキャンパス越前漆器

リンゴの下に敷かれているのがそうです!
ただの木の板に見えますが、触ってみるとつるつるとしていて、しっかり漆が塗られていることがわかりました。

越前漆器の詳細はこちら>>越前漆器とは?歴史・工程・体験施設などをご紹介します!

伝統工芸品とともに秋のフルーツをいただきます!

伝統工芸フルーツサンドーム福井ものづくりキャンパス

フルーツサンド完成後は、モノカフェ・パール・エスポワールのドリンクとともに「いただきます!」。
伝統工芸品に囲まれていることを意識してみるとなんだか特別な気分になりました。

もちろん、旬のフルーツがつまったボリュームたっぷりのフルーツサンドは絶品の一言!
龍泉刃物の包丁は切れ味抜群で、たおれかかった(笑)フルーツサンドもきれいにカットできました。

また、作っているときはバタバタでしたが、改めて同じテーブルの方とお話する時間ももてました。

「MONOCANのことは以前から知っていて何度も応募していたものの、なかなか当たらなかったので、今回やっと参加できて嬉しいです!」と話してくれたのは、富山県からわざわざ来たという女性。
今回のMONOCANの倍率も約3倍だったそうで、その人気の高さは本物のようです。

「富山にも伝統工芸品はありますが、福井とは歴史の長さが違うかなと思います。福井の伝統工芸品のことはそこまで詳しくありませんでしたが、今回たくさん知ることができてよかったです。包丁は本当に切れ味が良くて、欲しいと思いました!」と大満足の様子でした。

福井ものづくりキャンパスって何?

サンドーム福井ものづくりキャンパス

ワークショップが行われた建物『福井ものづくりキャンパス』はただのイベントスペースではありません!

ものづくりとクリエイティブがゆるやかに重なり合い、誰もがものづくりを体得できる開かれた学びの場。
それが福井ものづくりキャンパスです。
出典:福井ものづくりキャンパス公式サイト

2016年秋に、サンドーム福井の管理会議棟が福井ものづくりキャンパスとしてリニューアルオープン。
カフェやテラス、ワークスペースなどがあり、「デザインやものづくりの拠点」として誰でも利用できる場所となっています。

サンドーム福井ものづくりキャンパスまた、デザインラボではレーザーカッター、3Dプリンター(石膏、樹脂)、UVプリンターを使うことができます。(要予約)
サンドーム福井ものづくりキャンパスデザインラボレーザーカッターを使って作られたアイテム

実は今回のワークショップでテーブルコーディネートに使われた和紙は、レーザーカッターを使って作られていたんです

サンドーム福井ものづくりキャンパスデザインラボ

カトラリーレストにもぶどうの切り抜きが!

福井の伝統工芸や最新のものづくり、美味しいスイーツが楽しめる福井ものづくりキャンパス。
誰でも自由に入れるのでふらっと立ち寄るのもありですよ!

福井ものづくりキャンパスの基本情報・アクセス・マップ

名称 福井ものづくりキャンパス
住所 福井県越前市瓜生町5-1-1
電話番号 福井ものづくりキャンパス(施設予約)0778-20-3106
デザインセンターふくい 0778-21-3154
モノカフェ・パール・エスポワール 080-8693-3004
アクセス JR鯖江駅から徒歩約15分
福井鉄道福武線 サンドーム西駅(上鯖江)から徒歩約15分
JR鯖江駅から車で約3分
JR武生駅から車で約10分
北陸自動車道 鯖江ICから車で約5分
北陸自動車道 武生ICから車で約7分
駐車場 あり
wi-fi/コンセント あり/モノカフェ・パール・エスポワールのイートインスペースにあり
SNS instagram @monocan_fukui
Twitter ー
Facebook @monocan.fukui
WEBサイト http://www.sankan.jp/fmc/

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伝統工芸フルーツサンドーム福井ものづくりキャンパス
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